vol.008 松崎 稔

オリンパス株式会社 CSR本部 CSR推進部 課長  URL:http://www.olympus.co.jp/jp/

オリンパス光学工業(株)入社。19年に渡りカメラ開発に従事。その後、
97-03、米国駐在 R&Dシニアリエゾン兼シニアエンジニアリングマネージャー。ソーシャルマーケティングを本業で展開。
04-05 マーケティング企画部長。グローバルスポンサーシップを担当。
06-07 オリンパスイメージング(株)営業企画統括部 課長。
07-07月より現職。

前回までにCSR活動内容を伺ってきましたが、今回はCSRの視点から未来を聞いてみました!どうぞ、お楽しみください!


CSRで活動されている人数はどれくらいですか?

全体では十数人いますが、映像という切り口でのイベント関連は今現在は、ひとりで行っています。お話した幾つかの事例は、いずれも本業での大きなイベントとして当初はスタートしていますので、その時点に関る社員や、関連部門は多岐にわたります。しかし、いったんフレームワークができると、主体的に動く部署は限定的でも回ります。また、その方が継続性を確保しやすいと思います。本来のマーケティングとは、商品を売るための活動。初期段階にこの枠組みを用いて、大きく動かしても、その後、社会貢献的要素を強めて活動するとなると、適正な規模(限定的)での活動が企業の中では求められます。「親子の日」のイベント開催の際には、関連部署の応援を頂き、例年協力するメンバーが集います。

予算はどれくらいですか?

初期投資としては、まとまった投資が必要です。しかし、継続には、それほど大きな予算を割いてはいません。費用的にかかるとすると、広報・宣伝的にTV・CMを入れるとか、新聞紙面で広告や告知を打つと大きな費用が必要です。この部分は、このような案件をどの部署で扱うかによっても変わるかもしれません。CSRと企業広告は一線を画すべきとの考えから、わたしが関る活動では、この費用を抑え、活動自身の費用に拠る部分が大半とし、継続しやすい状況を作ってきています。業績が悪くならば、即刻中止となるようなアプローチでは、CSR的ではないと思います。

企業CSRは色々やっていて分かりにくいところが多いですが、オリンパスは分かり易いですね。

そうですね。私の立場的にはきつかったですけどね。笑)やっぱり、上司的には、どの方がたも、会社的には良いが、自部署的には、余計な仕事(事業目標に明示されていない)をやっている。費用も使うという評価でしたから。今ぐらいに話ができれば、誰もが賛同してくれるでしょうが、当初は何も見えない状況スタートするのですから。でも、目標はできるだけ高いところにおいた方が良いと思います。アプローチとして、本業を生かした社会的活動を目ざしている点が、皆様の共感を得やすいのかもしれません。

NPO・NGOに求めることは何ですか?

NPO・NGOは必要ですよね。国とか企業、政府を超えたところで物事を動かさないと物事が回らなくなった部分がありますから。そういう意味で国連もNGOと捉えています。ただ、NPOも上から下までたくさんあります。本当に自分たちとパートナーシップを組めるところとやろうと考えています。社会貢献的な部分では、今のところNPOというルートがなくて困っていることはありません。互いに、Give and Take 且つ、Win-Winな関係を探せるところとやっていくつもりです。それが、継続性に繋がると思います。あくまでも、本業に近いところを主体で考えています。
CSRコミュニケーションという面から考えると、日本のNPO、世界のNPOがあるけど、世界に通用するNPOと仕事をしないとCSRレポート、CSRの格付け機関的の評価的には意味がありません。しかし、地域社会もありますからローカルなNPOもやっぱり重要だと思います。もちろん付き合い方は若干ちがうかなと思いますけど。これは、ケースバイケースです。但しひとつ真実なのは、企業とNPOも互いにパートナーシップが成立しないと縁組には至らないということです。資金援助のみのNPO協力は、優先度が低いと考えています。

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法政大学キャンパスにて、法政大学GC研究センターとのStandUPキャンペーン参加

【StandUP】

【法政大学GC研究センター】

CSRは難しいですか?

難しいですね。CSR経営がありますけど、CSR経営って何?というそのブレイクダウンがまだまだ不十分と思います。社内の業務管理では、目標管理制度が定着しているんですけど、そこには残念ながら、 CSRの評価項目が入っていません。評価しづらいというより評価項目自体がないですからね。これは、大きな課題として捉えています。コンプライアンスというか、法令遵守は徹底してやっています。が、できているとからといってプラスになる評価体制ではありません。破れば、マイナスになりますが。仕組み的にも変革が必要です。

CSRの今後をどう見ていますか?

うちの会社ができていない部分で言うと、まず、人権団体とのコラボができていません。できていない理由は、単なるCSRじゃなくて、もっと経営に近い部分でのディシジョンメイキングしなければならない案件だからです。そこが一つの課題ですね。国連グローバル・コンパクトでも、一番日本の各企業が入りづらい壁になっているのが、人権問題と思います。我々は、GC加盟企業ですので、この問題はクリアしていますが、まだ、積極的に外部の人権団体とコラボできるまで進展はしていません。
アジアの諸問題を考えるとき、日本の精密・電気・車とかの輸出型産業は、アジアを抜きには語れません。その現地では、人権問題に直面することが急増すると思います。アジアを拠点に生産工場のシフトをどんどん進めてきましたからね。そこで、アジアにおけるCSR課題のひとつサプライチェーン・マネジメントは重要課題であり、オリンパスも積極的に動き始めています。

なぜ今回取材を受けてくださったのですか?

まずは、同窓であり理工学部に席を置く辺田さんがなぜ、コーズマーケティングというようなことに興味をもったのか知りたかったのです。それと、聞きたいことがあったんです。私自身は、どうやって会社の中でコーズマーケティング的な手法をどうやって定着していこうかと思案しています。会社組織に浸透する部分が大変難しいのです。CSR的にはコンセプトがすごく重要だと思うんですよ。誰がやってもできることじゃなくて、そこには、企業として、関る人としての『想い』や『志』がないと絶対できないと思うのです。そういう部分を正当化するために、ちょっと裏づけがほしいなと思いました。一般的に言われているコーズマーケティングは、非財務的要素が強いと評価されたとたん企業内の既存の組織では、やりにくくなります。そこで、それを、『社会』という基軸においたときにはどう評価されるのか、世代も異なる辺田さんや皆さんのフィードバックを頂きたかったのです。ですから、ご興味をお持ち頂けたら、メールでもご意見をいただけると大変うれしいです。

―これから社会へ飛び立とうという学生さんに一言お願いします―

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技術者としてのバックグラウンドは私自身の中で重要なことです。考え方のベースにもなっています。皆さんもまずは、仕事を通じて、自分のバックグラウンドを確立してください。単なる想いから、漠然と社会貢献したいと考えるのではなく、自分でスキルや、立場を確立してください。その上での行動は、きっと社会に役立つ行動になるでしょう。自らが社会的に自立しているのがその第1歩です。

【A Day in The Life of AFRICA】へのご意見はこちら

【親子の日】に関するご意見はこちら

【ブレーブサークル】に対するご意見はこちら

【OLYMPUS CSR全般】の情報は



松崎氏へのご意見ご感想は、こちらにお寄せください。

Word of power

・業績が悪くならば、即刻中止となるようなアプローチでは、CSR的ではないと思います
・本業を生かした社会的活動を目ざしている点が、皆様の共感を得やすいのかもしれません
・企業として、関る人としての『想い』や『志』がないと絶対できないと思うのです

次号(配信予定)は、
あの超有名企業、マイクロソフトコーポレーションのCSR活動とは?に迫りたいと思います!

乞うご期待!

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