vol.002 荒昌史
グループ戦略室シチズンシップ推進課 URL:http://www.cigr.co.jp/cosmosinfo/com/csr/
1980年9月25日生まれ。A型。 早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルートコスモス(現株式会社コスモスイニシア)に入社。現在、グループ内コンペにて最優秀賞を受賞し、自ら設立したCSR担当部署であるシチズンシップ推進課に在籍し、コスモスイニシアグループのCSRを推進している。また、2005年にNPO GoodDayを設立。様々な環境ボランティアイベントをプロデュース、企画・運営している。2008年7月にNPO法人化後、代表理事に就任。趣味はサッカー・フットサル、食べることと飲むこと。 【NPO GoodDay】 http://www.goodday2u.org/
社内にいながらNPOを立ち上げたコスモスイニシアの荒氏。NPOでの活動から、CSRの必要性を痛感、社内で開かれた新規事業提案コンペに提案を持ち込むことになりました。その社内での反響はいかに???
NPO側から、企業を観察し直して、CSRが必要だと気付いたわけですが、立ち上げるまではいかがでしたか?
偶然、2年目の秋(2005年)にコスモスイニシアグル--プ内で、新規事業提案コンペがありました。リクル--トコスモスから、コスモスイニシアに社名変更をするにあたり、新しい企業価値を生み出す狙いで実施された、全社的で大掛かりなコンペでした。かねてよりチャンスがあればCSRをやりたい、やるべきだ、と思っていたので、これはもう提案するしかないと感じました。今思えばリクル--トグループ時代からのDNAが社内に根付いていて、入社1,2年目の若い社員でも、役職も何も関係なく、提案が通れば、それが採用され具現化されるような風土・土壌が残っており、それに自分のやりたいこととのタイミングが幸運にも合ったというふうに思います。
どれくらいの応募があり、なぜその企画は通ったのでしょうか?
およそ110件くらいだったと思います。 当社の基幹事業は、マンションや戸建住宅の開発・分譲なのですので、これら不動産事業に関連する新規事業や新商品・新サ--ビスの提案をイメ--ジしていた経営陣や事務局としては、CSRはもしかしたら新しい観点だったのかもしれません。企業のCSRに対する姿勢も大きく変化してきており、企業が存続するためには経営の本質部分でCSRが重要であることを切に訴えたことが推進につながったんだと考えています。
ご自身の体験を通して、「推進される」絶対の自信があったのですか?
おそらく僕の提案がダメでも、少なくとも1、2年後には時代の流れ、社会の要請により、結局取り組むことにはなるだろうという確信はありました。ただ、ともすると、CSRは企業の単なるパフォ--マンスやPRにも見えてしまいます。そうではなくて、CSRは企業経営の根幹であり、そして、「あらためて企業、あるいは自社の存在意義とは何か?」を再定義する必要がありましたので、なるべく早く取り組むべきだし、ぜひ自分がその推進役になりたいという気持ちは持っていました。 選考期間は7カ月間で、その間に経営陣に対してのプレゼンテ--ションが数回あったのですが、選考過程で僕が考えていたのは、パフォ--マンスのためでもない、販売促進のためでもない、「本物のCSRをやろう」ということでした。もちろん、入社間もない人間の提案ですから、至らぬ点は多々あったと思いますが、最終的には熱意を評価されて推進してもらえたと感じています。今では会社に対して、とても感謝をしています。
現在シチズンシップ推進課には何名いらっしゃるのですか?
現在はコスモスイニシアでは4名で、グル--プを合わせると10名ほどです。部署ができたのが2006年7月で、発足した当時は2人だけ、しかも私だけ専属で上司は兼任でした。当初は、建築・設計や住宅などの環境に関する商品開発を行うという位置づけでした。まずは商品からという経営の考えがあり、それ自体は同感でしたが、CSRを始めるにあたり、もっと根本の企業のあり方や理念といった概念的な整理を行い、長期的にどこを目指すのかをきちんと明確にする必要があると感じていました。 自分たちの企業価値、というか存在意義みたいなものを見直す所からやらないと、今までの流れのなかで環境に良い建物づくりや、短期的な視点での社会貢献を行うだけでは、結局10年後20年後を考えたときに、パフォ--マンス・PRという形に終わってしまうなと感じたためです。それでは社会のためにはなりませんから、企業グル--プとして存在価値を再定義し、さらに2、30年後どうなっていたいのかというビジョンをつくるという意思のもとで、現在のグル--プ戦略室にシチズンシップ推進課として、部署ごと異動をしました。その際に、専属の担当者が増えて、現在の4人体制となっています。
シチズンシップ推進課の具体的な活動内容は?
一番大きいのは、企業の進むべき方向性を判断する時に、必ずCSRの意義、つまり「企業や社会はこのままでは持続不可能である」という危機感や認識にもとづき、「それを持続可能にしていくための価値基準」を事業活動全般において明確にしておくことです。現在はその仕組みをつくっています。私たちは「ビジョン」と「ロ--ドマップ」という言い方をしており、目指すべき姿と価値基準、そして、その道のりをつくっています。 一方で、その間にも時代は変化し、時間は過ぎていくので、すぐにできる事もやっていかないといけません。商品開発、事業改革、それからオフィス内の環境負荷削減、従業員の啓蒙活動など、多角的な取り組みを始めています。 その中で、最も避けなければならないのは、CSRの担当部署だけが取り組んでいる状態です。これでは、CSRの本質とは全くかけ離れているので、従業員一人ひとりの思考・行動ベースに落とし込むためのガイドラインのようなものの策定を行い、PDCAサイクルを構築し、シチズンシップ推進課はそのサポート役、事務局として機能していけるよう、将来的にはCSRのマネジメントセクションにならなければならないと考えています。
グル--プ戦略室内にシチズンシップ推進課があるのはどういう意図なのでしょう。
コスモスイニシアグル--プが一丸となった経営・事業活動の推進というのは、従来からの大きなテーマであり、特にリクルートグループから独立して以降はさらなる大命題となっています。その中で、CSRも当然コスモスイニシア単体だけではなく、コスモスライフ、コスモスモアとグループ会社も含めて、グループ全体で推進していくことが重要ですので、グル--プ経営のサポートセクションであるグループ戦略室内に置かれているわけです。 「CSRは経営そのもの」だとよく言われますが、実際に企業活動全般に横たわるものでなくてはならないと思います。経営のかじ取りをCSRの視点でサポ--トしていくのが、私たちシチズンシップの役割です。これまでも、そしてこれからも大事にし続ける理念とビジョンに基づき、何かしらの経営判断や社会に対するアウトプットを行う時に、時代背景を踏まえてベクトルがぶれないようにサポートしていく。そういった意味において、バックオフィスであり、あくまで脇役なんですよね。
・ CSRとは経営の根幹であるビジョンとロードマップをしっかりとつくるCSRは企業活動全般に横たわるもの
新規事業提案コンペの選考過程において、本質的なCSRの重要性を訴えた荒氏。ついにCSR専門部署の創設が実現し、社内はどのように変化したのか?詳しくは次号でお届けします!!
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Wrote 2009.01.13 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>