vol.005 田中 直

特定非営利活動法人APEX 代表理事  URL:http://www.apex-ngo.org/

特定非営利活動法人APEX代表理事。理学博士。
1 9 5 1年東京に生まれる。
東京大学工学部卒業後、石油会社で、石油精製プロセス管理、廃プラスチック再生、 バイオテクノロジー、排水処理などの業務に従事する一方、1987年の設立当 初からAPEXの代表を務め、1999年より専従(代表)となる。理学博士。 論文に「適正技術の創出に向けて」(西川潤編『アジアの内発的発展』所収、藤 原書店、2001年)、「適正技術・代替社会」(岩波講座現代社会学第25巻所 収、1996年)、編著書に『転換期の技術者たち』(勁草書房、1989年)、『エネ ルギー問題―工業化社会における自然と労働』(社会評論社、1984年)など。

こんにちは!テトルの熊坂 惟です!!
豊かな土壌があれば森が生まれる
だけど土のないところに木は育たない
清らかな水が流れていれば鮭は必ず帰ってくる
だけど水のないところに魚は住めない
人が集まれば言葉が生まれ、遊びが生まれ、思想が生まれ、道具が生まれる
だけど人のいないところには文化は生まれない
当たり前だと思いましたか?
では、例えば日本の工場で使われている機械。
そのまま持ち出して「どこでも使える」というのは?
道具さえあれば...
そう思っていたら大間違いです。 APEXさんに学ぶべし!
今号は特定非営利活動法人APEX(アペックス)の田中 直さんへの インタビュー(第一号)をお送りいたします。

                                   

これまでの経済発展や進歩は、本当に人々にとっていいことだった?

APEXで主に取り組んでいるのは、アジアの環境保全、住民の生活向上、収入向上です。ただし、これまで先進国が行ってきたような経済発展をつづけていては、地球全体が成り立たなくなってきているんですね。
近代的な発展とはべつに、環境と調和した豊かな生活をしていけるようにしたい。そのため、NGOのなかでも技術に焦点を当てました。わたしたちの考える発展を実現するためにどういう技術が必要なのか?
そう考えたときに、先進国の進んでいる技術を遅れている途上国へ移転するという発想ではうまくいかないと思ったんです。技術は体系のなかにあるので、ひとつの技術に対し、それを支えるインフラ、動かす人材、メンテナンスする人材などが必要なんです。これまで日本で使われてきたような技術をそのまま途上国に移してやっていくのは、環境の問題からいっても成立しない。

 

地域に適合するような技術

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うちの活動のキーワードは適正技術。単純な近代技術の延長ではなく、それぞれの地域の社会的、経済的、条件に適合するような技術のことです。
先進国の技術の多くは、大きな投資が必要で、技術を扱える人が限られている。
私たちの主張する適正技術は、広く住民が参加できて、多くの人が自分達で実践できるものです。技術によりもたらされる利益も住民たちが得られるように。
さらに、再生不可能な資源はなるべく使わず、技術を使う場面においても環境に負荷をかけない。
環境持続性を高める方法で使えるもの。そいう技術を適正技術とよんで、普及させることで、環境保全、生活向上を実現して、実践して、現場で作り出していくのです。

何ができるだろうか?それを考え始めたことがきっかけ

うちの団体は87年創立です。それ以前に前身の団体、「第三世界セミナー」というのがありました。公開セミナー、勉強会を行っていました。はじめのうちは、開発、途上国問題が中心ではなく、コンピューターが社会に与えるのはどんな影響か?を考えるといったことがはじまりでした。技術の問題について。
そこから、近代化の問題を考え、エネルギー問題を考え、それから、第三世界、いわゆる開発途上国の問題を考え始めました。
普通に考えられているのは、「途上国は遅れている、先進国は進んでいる。だから先進国は助けてあげましょう。」という考え方。しかしセミナーでは、「途上国の貧困、環境破壊などをもたらしているのは先進国であって、先進国が都合のいいように開発を進めていく。それで途上国の自然は破壊され、農村は破壊され、都市の貧困層が形成される流れになる。全体的に途上国が先進国に従属する構造ができあがっていく。」そんな話が講師たちから聞かれたんです。考えさせられました。多くの人は、企業に勤めていたので、自分達も問題をもたらしている資本主義の一翼を担っている。自分達の足場をある意味問い直されているように感じました。
自分達が置かれている立場から出発して何ができるだろうか?それを考え始めたことをきっかけに、実地で学びたいと想い、84年からアジアを渡り歩きました。

                                                                                        

Word of power

●地球全体が成り立たなくなってきている
●環境と調和した豊かな生活をしていけるように
●実地で学びたい

APEX田中さんへのインタビュー(第一回)は以上になります。
次回はAPEXのインドネシアでの活動の変遷をお話していただきます。
次回もお楽しみに!

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