vol.006 田中 直
特定非営利活動法人APEX 代表理事 URL:http://www.apex-ngo.org/
特定非営利活動法人APEX代表理事。理学博士。
1 9 5 1年東京に生まれる。
東京大学工学部卒業後、石油会社で、石油精製プロセス管理、廃プラスチック再生、 バイオテクノロジー、排水処理などの業務に従事する一方、1987年の設立当 初からAPEXの代表を務め、1999年より専従(代表)となる。理学博士。 論文に「適正技術の創出に向けて」(西川潤編『アジアの内発的発展』所収、藤 原書店、2001年)、「適正技術・代替社会」(岩波講座現代社会学第25巻所 収、1996年)、編著書に『転換期の技術者たち』(勁草書房、1989年)、『エネ ルギー問題―工業化社会における自然と労働』(社会評論社、1984年)など。
こんにちは!テトル(インターン)の熊坂 惟です!!
今号は特定非営利活動法人APEX(アペックス)の田中 直さんへの
インタビュー(第二号)をお送りいたします。

タイ、マレーシア、シンガポールにおいていろんな現地NGOを訪ねました。そして86年にインドネシアに入りました。そのころから、一方的な援助ではなく、現地の人たちが主体的に解決していくのを脇から支える立場でやっていくべきだと考えていました。
中部ジャワで、YABAKAという、できて間もない小さい現地NGO団体を訪問しました。
かれらは、住宅建設、環境保全、生活向上の三つの分野で活動していました。当時、私達も団体として小かったけれど、効果的なサポートができるのではと感じ、活動を支援していくという形で一歩を踏み出しました。それが87年のことです。
それを契機にAPEXとしての活動がはじまりました。YABAKAに関しては、多くは資金面での支援でした。それも単純にうまくいったわけでなく、トラブルもありながら進んでいきました。YABAKAとの活動から、現地で何が必要なのかということに気づいていきました。
仕事がない。それがやはり大問題だったのです。勉強や、訓練をうければ、いい仕事に就けるはずが、学校を出ても就職できず、不定期の仕事をその都度やっているケースが都市でも農村でも多かったのです。
なぜインドネシアで、仕事不足が起こっていたのかという問いへの答えはおそらく単一ではないのです。
まず、政治機構が、今は良くなってきたが、昔は中央集権的で、汚職が蔓延していて、一部企業はものすごく発展していたが、一般の住民には届いていなかった。
ベースには近代化一般の格差をもたらす構造がありましたが、さらに政治の貧困というか、腐敗が重なっていて。教育の貧困もありますね。いまだに小学校しか出ていない人の割合も高い。それだとちゃんとした仕事には就けない
。貧困が固定化されてしまうのです。
この問題をどうするかにも注意が向きました。
その流れで、二番目のNGOとの協力がはじまりました。
同じく中部ジャワの、YPKMという職業訓練をしている団体でした。
職の無い青年を預かって、はじめは板金加工の訓練をしていました。しかし、訓練設備がいかにも貧弱で、やれることが限られていたのです。
訓練場にしかるべき技術などを導入すれば、訓練内容も充実したものになると考えました。旋盤技術を身につけることで、就業機会が増えるとおもい、旋盤機械を入れました。日本の工作者のレベルはかなり高いので、機械だけでなく、人も一緒に定期的に日本から現地に行っていただき、動かす技術も向上させるというプロジェクトをはじめました。
本格的に活動がはじまるのは、排水処理プロジェクトからです。この支援先はディアンデサ財団。インドネシアでも二番目に大きいといわれていて、代表の方は、アジアのノーベル賞、マグサイサイ賞を最年少で受賞されたものすごく実力のある方。適正技術をやっているNGOでした。

われわれも技術志向があったので、95年に協力がはじまりました。ちょうどその少し前から、私自身会社で排水処理の仕事を行うようになったのです。
そこで、回転円板式排水処理装置というものと出会う機会があり、それを財団に紹介しました。そして、インドネシアに適した装置を開発しようというところから
プロジェクトが動き始めたのです。
その後、試作機が期待を上回る性能を示し、
パイロットプラントをつくり、国際会議をやり...とだんだん活動が発展し、2001
年からはJICAの開発パートナー事業として排水処理適正技術センターを創設・運
営する事業に取り組みました。
その事業は中小産業の排水処理が中心でしたが、
今は生活排水を処理する事業も行っています。
また、農業廃棄物などのバイオマ
スを流動接触分解という技術でガス化して、発電等に利用する技術開発も共同で
行っています。粘土を触媒として用いるユニークなもので、幅広い種類のバイオ
マスを受け入れることができ、先進国の技術と比べると格段に安価です。それら
の技術開発は、APEXだけでもディアン・デサ財団だけでもむずかしく、両者が力
を合わせる時、はじめて可能になるような性格のものです。
●仕事がない。それがやはり大問題だった
●貧困が固定化されてしまう
●しかるべき技術などを導入すれば、訓練内容も充実したものになる
APEX田中さんへのインタビュー(第二回)は以上になります。
次回は田中さんが広く社会への興味を待ったきっかけに迫ります。
次回もお楽しみに!
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Wrote 2009.01.31 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>