vol.019 小野寺 愛

ピースボート共同代表  URL:http://www.peaceboat.org/index_j.html

1978年横浜生まれ。
上智大学外国語学部英語学科卒業。
ピースボート共同代表、ほっとけない世界のまずしさ理事、サーファー、1児の母。
旅とウィンドサーフィンに明け暮れた学生時代を終え、外資系証券会社勤務を経て、2003年より現職。 ピースボートのクルーズ企画コーディネーターとして地球を6周する中で、 こども・環境・先住民・持続可能な社会作りに思いをめぐらせるようになる。
共著に『世界から貧しさをなくす30の方法』(合同出版)、雑誌『ソトコト』『Blue.』などに寄稿。

こんにちは!テトル(インターン)の熊坂 惟です!! 
今号はピースボート小野寺さんのインタビュー(最終号)をお送りいたします!

若い人にはもっと友達と知り合って世界が広がる感覚を感じて欲しい

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小さい頃にアメリカに住んでいたので、英語ができればいろんな人と話が出来るというのは肌感覚で知っていて、英語を使って旅をしながら生きていけたらいいなっていうのは高校の時から思っていましたね。
でも社会貢献とかはまったく考えてもいなくて。それが大学に入って徐々に変わっていきました。
 学生時代はバックパックで旅をしていたので、最初は、ピースボートってパック旅行っぽくてダサいみたいな、なんとなくそんなイメージがあったんです。
一人旅というのは基本的に貧乏旅行だから、安宿を泊まり歩いているだけで冒険気分が味わえるでしょう。
でも本当は出会っているのは旅人仲間ばかりで、現地の人との交流は結局英語が話せる人としかできていないことが多いんですけどね。
つまり、地球の歩きかたを片手に貧乏な観光旅行をしているだけで、現地の人が何を考えているのかについては、実はあまり考えていなかったなって、ピースボートに乗ってみて初めて気がつきました。
バックパック旅行のときは、同じイスラエルに行っても、エルサレムって文化の交差点みたいですごい!と感じて、アラブ人街の市場を歩いて、そこからバスに乗って死海に浮いてきて、まあそれくらいなんですよね。
ピースボートに乗ると、パレスチナの難民キャンプを訪れて、紛争で家を追われたおじいさんの話を直接聞いたり、ホームステイをさせてもらった家の孫と仲良くなってお茶を飲んだり、その会話の中からサッカーができる公園をつくるプロジェクトがはじまったりします。
人に出会い、現地の暮らしに触れることで、同じ地球に住んでいる人間として自分には何ができるのか?を常に突きつけられるんです。
トウキョウから自分の視点を持ち込んで、一歩ひいたまま「見聞」の旅をするのとは、同じ旅でも全然違う体験ですね。
若い人にはもっと友達と知り合って世界が広がる感覚を感じて欲しい、本当にそう思います。

簡単に参加できること

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一番簡単なのは、ボランティアスタッフになってもらうことですね。ポスター貼りや、募金活動、支援物資集めやフェアトレードのPR、イベントのブース出展の手伝いなど、作業内容は多岐にわたります。そして、頑張った人には、その活動に応じて、乗船料を割引できます。 大学生が近所の人と話をする機会なんて、なかなかないじゃないですか。ポスター貼りを通して、会ったこともない人に「自分はこんな想いを持って地球一周をしたい、そのためにこのポスターを張っているんです」とか説明するわけですからね。地元の人々を若い人の夢でつないでいく、それだけでも十分な社会事業ですよね。 フルタイムのスタッフになる条件は一つで、ピースボートに乗ったことがあるかどうか。一度乗ったことがあるならば、誰でも面接受けに来てくださいとしています。最終学歴が中学校卒業というような子から東大の院卒の子まで、本当に幅広いバックグラウンドの人が面接を受けに来ますよ。実際の採用はその時の職場のニーズ、タイミングによります。 パキスタンで震災があった時に、スタッフの誰を現地支援に送るか相談しました。普通のNGOだったら、英語ができて、海外経験も豊富な人材になりそうですよね。でもピースボートで派遣したのは、高卒の、元鳶職の男の子でした。彼は英語で数字を数えるのがやっとだったんですけど、「あなたは何人家族ですか?」なんて書いた英語の紙を持って現地に飛び込んで、自分も数週間野宿しながらそこら辺にあるものを使ってバンバン家を建てていったんです。
その数200世帯分。すごいでしょ!でも、私じゃ絶対そんなことできない。
ピースボートは、適材適所でみんなが主役になる職場です。

私にとって平和とは

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「平和」って、誰でも、経済的に貧しい国に住んでいても、子どもでも、おじいちゃんでも、病気の人でも、「明日を楽しみにできること」なんじゃないかと思います。 ピースボートの参加者にも貧しい国の人に会って、自分に何が出来るのか考えたいっていう人が多いけれども、実際に行ってみると、可哀そうなのは逆に自分のほうだったりして。アフリカには、経済的には貧しくても、はじけるような笑顔で、やさしくて、明日を楽しみにしている子もたくさんいます。子どもが元気な社会は、幸せで平和な社会です。じゃあ逆に、経済的には豊かなはずの日本で、一人ぼっちで部屋に閉じこもって毎日ただテレビを観ているお年寄りがいたら?そんな社会をつくっている日本のほうこそ、平和じゃないかもしれないと思います。 私の「社会の中での役割」ですか?今、私はたまたま国際交流NGOで勤務していますが、なによりもまず1児の母です。「社会の中の役割」と聞かれたら「お母さん」でしかない。どれだけすごい平和活動家よりも、世界一のお母さんがスゴイと思うんですよ。自分の大切な身近な人たちに本当に大切なことを伝えていくという当たり前のことを世の中の大人みんなが「役割」としてやっていれば、世界はとっくに幸せになっているはず。
大きな山火事に一滴ずつ水を運ぶハチドリの話じゃないですが、私もそういうことをしていたいと思います。
だって、今の自分に思いつく程度の小さな目標にむかってガムシャラに進むよりも、周りを大切にしながら毎日をきちんと生きるほうが、10年後にはもっとおもしろいことができていると思うから。

ピースボートの船旅には、誰でも参加できます。
次の船旅の出発は、2008年12月を予定。
詳しくはホームページをご覧ください。

Word of power

●現地の人が何を考えているのかについては、実はあまり考えていなかったな
●ピースボートは、適材適所でみんなが主役になる職場です
●どれだけすごい平和活動家よりも、世界一のお母さんがスゴイと思う

今回でピースボート小野寺さんへのインタビューは以上になります。
次回もお楽しみに!

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