vol.074 高橋 保之
NPO法人野外活動教育振興会代表理事 URL:http://www.efa-camp.jp/
こんにちは!テトル(インターン)の熊坂 惟です。
今号は「野外活動教育振興会(e:fa)」代表理事・高橋 保之さんへのインタビュー(最終号)です。
キャンプの魅力が子どもたちを通して浸透し、ついには定員をオーバーしてしまうまでになったサマーキャンプ。
最終号となる今号では、その魅力に迫ると共に、高橋さんの体験を通して感じた思いを読者の皆様へのメッセージとしてお話しいただきます。
それではお楽しみください!
キャンプの趣旨にあたる部分をお話いただけますか?
体験したことがそのまま終わってしまっては普通のファミリーキャンプと変わりがありません。
私たちのキャンプには毎年必ずテーマがあります。
単にプログラムを体験して終わりではなく、行きから帰りまで、一貫したテーマを設けています。
今年でいえば、テーマは「地球温暖化」でした。
学校でもいろいろなことを学びますが、「地球温暖化防止」というテーマを自然の中でどう体験できるかということを大事にしています。
その経験を持ち帰ってもらって、自分達が今できることを一つでも家庭や学校で実践してもらいたいと考えています。
大きい問題を身近なところに感じてもらうということでしょうか?
そうですね。食糧危機をどう回避しようかという問題にしても、自分たちの生活に落とし込んで考えると、食べる食事を残した瞬間に、残飯になってしまいますよね。
でも、自分が残したものを配膳の時に取らなければ、他の人がそれを食べたかもしれない。
集団で生活することで、そういったわずかなところからでも教えていけば、やがてそれが大きな力に繋がると思っています。
そうですね。生活の一部、当たり前のことになれば実現できるかも。
小さい子どもが多いですので、全部とはいわず、少なくとも一つか二つは覚えて帰ってもらって、家族とか学校で友達に教えてあげる。それがみんなの役割だよということを教えています。
そういう意味では、我々が教えることは、かなり責任があります。みんなが正しいということを教えなければいけないので。
だから、教える教材はかなり準備をしています。
プログラムの中にミッションがちりばめられていて、達成感を感じてもらえるようになっています。
参加した子供たちが出来るようになった時の満足感は我々にとっても大きなものです。ですので、教えるというよりは「共に学ぶ」の方が正しいかもしれませんね。
キャンプの中で、印象に残っているシーンはありますか?
子供から教わったことで、印象に残っていることがあります。ある子供が星を見上げて「地球もあれと一緒なんだよね」と言いました。
「地球も星から見れば、こういうふうに見えるんだろうね」と。これはすごい事と思います。
これは私たちのキャンプの趣旨でもあります。日常生活から非日常生活に移った時にわき上がる、感性とか想像力、好奇心。
こういうものを引き出すキャンプにしたいと思っています。つまり気づきを大切にしています。
キャンプというのは非日常ですよね。非日常生活の中でも、基本的には生活なわけで、そこには衣食住が伴います。
我々はそこに学、遊、を加えた五つを持って一つの非日常生活と呼ぼうと。
やりがいを感じるのはどんな時ですか?
帰ってきて、しばらくしてから参加者のお母さんと町で会った時に、うれしい声をいただいています。それはやってよかったなと思いますね。
たとえば、「子供が帰ってからしゃべりっぱなしなんですよ」とか、「何なにをやったんですってね。もう子供が帰ってきて以来ハマってしまって」といったことをおっしゃっていただきます。
別の言葉でいえば、子供たちの「やる気のスイッチが入った」と言えるかも知れません。我々スタッフはスイッチが入るきっかけや場を提供しているに過ぎないと思っています。
キャンプの間は、ケガ以上のことが起きてはまずいので、安全面へのケアが優先しているので、キャンプが終わってからの方がやってよかったなということを感じますね。
読者の方へのメッセージをいただけますか?

職人や芸人でもなければ自分自身が売り物になる人間は少ないものです。
特にサラリーマンは定年になったら何も残らない場合が多いかもしれません。ただ、その中でも残るのが人脈ですよね。
いろんなコミュニティに首を突っ込んでいれば居場所もできますけど。また、今まで作ってきた人脈が生きても来ます。
会社を定年になって、会社というコミュニティから放り出されたら、どこにも帰るコミュニティがなくなる、すると社会から外れてしまう人も出てくるかもしれません。
社会人になってからだまって定年まで会社で仕事だけしているとそうなってしまいます。
だから何にでも首を突っ込んでいくべきですよ。
日本の企業は特に、土・日もゴルフだとか、夜も接待だとか、会社というコミュニティが強すぎて、地域というコミュニティに目を向ける精神的余裕がなくなっている気がしますよね。
地域で出来ることやプログラムはたくさんあります。是非offの時間のコミュニティに積極的に加わってください。
●感性、想像力、好奇心。こういうものを引き出すキャンプにしたい
●スイッチが入るきっかけや場を提供しているに過ぎない
●何にでも首を突っ込んでいくべきですよ
今号で「野外活動教育振興会(e:fa)」高橋 保之さんへのインタビューは以上になります!いかがでしたか?
「アウトドア」は、どこどこの山へキャンプに行くことを指すのではなく、もっと広義で「自分の慣れ親しんだコミュニティから一歩飛び出してみること」。それがアウトドアだと教わった気がします!
これまでアウトドアにあまりなじみのなかった方も、これを機に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
次回もお楽しみに!!
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Wrote 2009.02.26 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>