vol.120 根本 かおる

特定非営利活動法人日本UNHCR協会事務局長  URL:http://www.japanforunhcr.org/

兵庫県生まれ。
東京大学法学部卒業後、テレビ局にアナウンサーとして入社。
入社4年目に報道局へ移動し、同局初の政治担当の女性記者に。
専門分野を持つ必要性を感じ、休職し1994年、米国コロンビア大学大学院に留学。
「国際人権・人道問題」をテーマに選ぶ。
大学院卒業後、テレビ局を退社。
96年から外務省の国連派遣制度でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)
トルコ事務所へ。難民申請手続きの仕事ぶりが認められ、98年、正職員に。
その後、アフリカ中部のブルンジ、ユーゴ空爆後のコソボ、
ジュネーブ本部を経て、国連世界食糧計画(WFP)広報官を歴任し、
06年2月にはUNHCRネパール・ダマク駐在事務所所長に。
現在は、UNHCR国内委員会である日本UNHCR協会の事務局長として、
難民支援の広報活動および募金など民間からの協力の呼びかけを手掛けている。

こんにちは!テトルの藤澤あすかです!!
今号は日本UNHCR協会事務局長、根本 かおるさんへのインタビュー(最終号)をお送りいたします!

難民の方々から学ばされることがたくさんある

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人道支援の活動をしていて難しく思うところは、一時しのぎの効果で留まってしまうころが多いところです。
もっと根本的な解決を望むのなら、紛争の予防や民族同士の対立解除のために活動する必要があると思います。
人道支援は、つまりバンドエイド的な効果に留まってしまいがちかもしれません。
たとえば、アフリカのブルンジで活動していたときのこと。
タンザニアの難民キャンプに、ブルンジの難民が避難していましたが、ようやくブルンジの状況が落ち着きはじめ、難民の方々が少しずつブルンジに帰ってきました。ところが、再びブルンジの状況が悪化して、またブルンジからタンザニアに人々が逃げていくようになってしまったのです。
いったい何をしているのだろうか、と、私は途方にくれた気持ちになったのを覚えています。でも、だからといって何もしなければ、難民の方々は今日にでも命を落としてしまいます。
また、難民の人たちと触れあっていくと、困難な状況の中、とても誇り高く生きている方がたくさんいて、学ばされる機会がたくさんあるんですね。
そういった方と話をしていると、自分の小ささを感じてしまうのですが、
その学びが活動の醍醐味のひとつになっています。

人々の違いを文化ごと受け入れることができれば、きっと争いはなくなる

難民について考えるということは、
私たち日本人が外国の人たちとどうやって付き合っていくか考えることに似ています。
難民を受け入れるということは、宗教も異なる、民族も異なる多様な人たちと、どうやって一緒に暮らしていくかを考えるということだからです。
大きく捉えるなら、グローバルな視点から国際貢献を果たすための、第一歩だと思うんですね。
さまざまな人々の背負う、さまざまな背景を受け入れて尊重する。
人々の違いを、文化ごと受け入れることができれば、きっと争いはなくなると私は思っているんです。
異なる存在を排除しようとするから、難民は発生してしまうんですよ。

海外に出向いて、肌で感じて、手で触れて、匂いをかぐことを体感してほしい

世界が混ざり合うことって、本当はすごく楽しいことだと思いませんか?

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たとえば音楽にしても、いろいろな民族音楽をミックスさせたジャンルがありますよね。
異なる楽器やリズムが入り乱れて、とても楽しいと思うんです。
音楽だけでなく、食べ物も文化もこれと同じで、異なるもの同士が混じり合うことって楽しいんですよ。
スーパーマーケットで、海外の果物が手に入らなかったら、つまらないですよね。まずは、そこに開眼していただきたいなって思います。
世界が混ざり合うことは、IT環境が発達した現代なら、それほど難しいことではないと感じます。
同時に、ITを通じて知った世界がすべてであるとは思わないでほしいとも思うんですね。

実際に現場に身を置いたときに感じる刺激のシャワーは、間接的な影響の比ではありません。
海外に出向いて、肌で感じて、手で触れて、匂いをかぐこと。
これはぜひ、一度体験してほしいと思います。
私はそのために、ずっと語り部の役割を果たしていきたいと考えています。語り部の仕事って定年がないんですよ。
だから、年をとってもずっと続けたい。
その結果、日本が少しでも、いまより多様性に溢れた国になってくれれば、うれしいですね。

Word of power

●人道支援はバンドエイド的な効果に留まってしまいがちかもしれない
●困難な状況の中、とても誇り高く生きている方がたくさんいる
●日本が少しでも、いまより多様性に溢れた国になってくれれば、うれしい

今号で、日本UNHCR協会事務局長・根本さんへのインタビューは以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに!!

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