vol.128 藤沢 俊介

タンザニア・ポレポレクラブ代表  URL:http://polepoleclub.ld.infoseek.co.jp/

大学卒業後、8年間電子部品メーカーに勤務、
1992年より、(財)緑の地球防衛基金職員、
1997年にタンザニア・ポレポレクラブを立ち上げ、同代表。

こんにちは!テトル(インターン)の熊坂 惟です!!
今号は、前号に引き続き、タンザニア・ポレポレクラブ代表、
藤沢 俊介さんへのインタビュー記事(第二号)をお送りいたします!

ゆっくりゆっくり

「ポレポレ」に込められたメッセージ

「ポレポレ」とは、スワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」という意味です。
タンザニアの人たちと関わり始めて分かったことは、
彼らは自分たちの身の周りの問題に対して自分たちで気付いて、
気付いただけではなく、それについて働きかけるという行動に出ているわけです。

私たち先進国と呼ばれる国に住んでいる人たちは、
確かに知識はたくさん持っているかも知れませんよね。
アフリカに関する情報だって、いっぱい持っているのは
アフリカの人たちじゃなくて私たちかもしれない。
「地球規模の環境問題」なんてことについても、同じことが言えるわけです。
でも、知識をどんなに持っていても、何も行動を起こさなければ、
何も変わりませんよね?

タンザニアの村の人たちは、
地球温暖化のことなんて知らないかもしれないけれど、
自分たちの身の周りの問題に対してアクションを起こしているわけです。
そしてその方が、地球は変わるんだと思うんですよ。
彼らとの15年ほどのつき合いを通して、そのことを教わりました。

知識も大事ですが、本当に大事なのは
「一人ひとりが行動という具体的一歩を踏み出すこと」なんだと、
彼らから教わり続けた15年だったという気がします。

ですからタンザニア・ポレポレクラブの名前には、
たとえ大きなことができなくても、「ゆっくりゆっくりやっていこうよ。」
というメッセージが込められているわけです。

「傍観者でいては何も変わらないよ」というのは、
タンザニアの村人たちのメッセージなんだと思います。
そんなこともあって、
「タンザニア・ポレポレ」の後に、「クラブ」とつけました。

「クラブ」って、たとえば野球部なら、
野球をやりたい人たちが自発的、主体的に関わって、
自分たちで話し合って
練習日やら試合やらを決めて行動(活動)していくものですよね。

そういう自発的、主体的な取り組みが、
日本中で広く取り組まれるようになったら、
「どこかのNGOがやっている特別な取り組み」ではなくて、
「社会全体の運動」になっていくと思うんです。
だから目指したいのは
「~会」ではなく、誰もが主体的に関わって、誰もが自分たちの問題として
取り組み行動する「クラブ」にしました。

メンバーの自主活動が盛んだというのも
その理念からなのですね!

そうですね。
私たちはそこにこだわっていたいと思っています。
たまたま私たちの活動は海外のタンザニアで、
世間一般からは「国際協力」と言われたりしますが、
私自身の中では、別に海外も国内もなくて、たまたま私たちが取り組んでいるのがタンザニアだったということです。
それが国内でも良いと思うのです。

一人ひとりの人がそれぞれのいいもの、
得意なことを必ず持っていて、それらを持ち寄れば、
とても大きな力になると思います。
キリマンジャロの村人たちがやっていることが、
まさにそういうことだと思います。
だからスタッフとか会員とか、そんな分け方で狭く括ってしまうのはもったいないなと思うんです。

ポレポレクラブはできるだけ敷居を低くして、
より多くの人たちに携わってもらえる場でありたいと思っています。
決してNGOという専門的な組織の中の
専門的な人がやる取り組みなのではなく、
誰もが自分にできることはないかなという姿勢で、参加できるのが良いと思っています。

ポレポレクラブでは現在自主活動として、
日本の女性たちが、タンザニアのママさんたちと一緒に取り組んでいる手工芸品活動と、
国内では菜園活動があります。
菜園活動は、ポレポレクラブがもともと環境分野での活動に取り組んできた団体なので、
メンバーにも土、水、
空気に関心を持っている人たちが比較的多いんですね。

畑といっても農家の人たちと一緒にやっているわけではないので、
クワの使い方とか、基礎的なところからみんなで勉強してやっています。10年以上続いていますが、
農業といえるようなレベルではありません。
それでも土に触れてはじめて分かることが、いっぱいあります。
そんなこと一つとっても、行動から学べることは大きいなって思いますね。

交流事業というのも行っているそうですが。

キリマンジャロ山麓で開催している植林ワークキャンプのことですね。
日本の市民が村で寝泊まりしながら、
村の人たちが取り組んでいる植林活動にともに取り組むプログラムです。

参加はやはり学生が多いですか?

昔は学生が多かったのですが、
今は団塊世代の方、退職された方が増えてきていますね。
今までひたすら働いてきたけれども、これからは世のため人のためになりたいという方が増えているのだと思います。
その傾向は年々強くなっていると思います。

ワークキャンプとスタディツアーの違いは何でしょうか?

一般的にスタディツアーは浅く広くいろいろな場所や
取り組みを見て回り、多角的な学びを得られるプログラムで、
ワークキャンプは同じ場所に長く留まり、
狭いけれど深く理解を掘り下げるプログラムではないでしょうか。
そういう意味で、全く別のものといえると思います。

ポレポレクラブは活動地域がキリマンジャロなので、
以前はコーヒースタディツアーを行っていました。
スタディツアーの難しいところは、
日本からいろいろな人が参加して現地にスタディをしに行くわけですよね。
「こんな問題があったんだ」「知らなかった」「いい勉強になった」と。

ただ、その受け入れ先となる村の人たちにとってのスタディツアーとは
一体何なんだろうかと考えることがあります。
日本人に勉強されているだけ、ではいけませんよね?
受け入れている村の人たちにとっての「メリットは?」「インパクトは何?」と聞かれたときに、
「それは○○です」ときちんと答えられるスタディツアーでなければならないと思っています。
ワークキャンプもいろいろでしょうが、村人たちが目的としていることへの直接的参加という点では、
かなり村や村人たちにとってのメリットも分かりやすいとは言えます。
また直接参加ということだけでなく、
長く滞在することで、村や村人たちへのフィードバックの機会を取りやすいということも言えるでしょう。

ボランティアの数は?

日常的に来ていただいているのは5名ほどです。
ポレポレクラブではボランティアより、事務局アルバイトの方が多いですね。

これからはアルバイトを中心に、
他の団体では職員が行うようなタスクまでお任せしていきたいと考えています。
現地の事業も含めて、アルバイトを核として、
ゆくゆくは市民の手にすべて開放していけたらと思っています。
それを課題としてチャレンジしてみようと思っています。

企業との共同実例がホームページ上で紹介されていますが、
こだわりの点は何かありますか?

「これからは企業と協力だ」という考えはあまり持っていません。
企業の皆さんは一生懸命考えていると思うのですが、
例えば、フェアトレードで問題になっているのは
「我が社はフェアトレードをやっています」と言っても、それが売り上げの0,1%だったりもしますよね。
全否定はしませんが、CSRがそういうことの免罪符にされてはいけないと思っています。
結局それでは、根本的なことは何も変わらないと思うからです。
たとえ規模は小さくとも
、全社挙げて本気で取り組みますという企業、「お金だけでなく、口も出しますよ、
現場にも行きますよ」という企業、とことん一緒に考えていきましょうという企業、
そんな理念と行動力をもった企業は素敵だなと思います。

企業の方達はポレポレクラブのどこに魅力を感じていると思いますか?

ポレポレクラブは活動が植林ということで、
企業からの問い合わせは年々増える傾向にあります。
地球温暖化の問題もあって、環境分野や植林の取り組みは、それだけ注目されているということなのだと思います。
ただ、企業イメージ先行だったり宣伝目的のものも多いようで、
そうしたところは申し訳ないのですが、
お断りするようにしています。
逆にいまご協力いただいている企業の皆さんからは、
そんな姿勢を「この団体は自分たちの考えを本気で追及している」ということで
評価していただけているのかなと思います。

Word of power

●村の人たちにとってのスタディツアーとは一体何なんだろうか
●ゆくゆくは市民の手にすべて開放していけたら
●CSRがそういうことの免罪符にされてはいけない

タンザニア・ポレポレクラブ・代表、藤沢さんへのインタビュー(第二号)は以上になります。次回もお楽しみに!!

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