vol.135 清水 匡
特定非営利活動法人国境なき子どもたち/広報担当 URL:http://www.knk.or.jp/
特定非営利活動法人国境なき子どもたち 広報担当
大学卒業後、自然科学映画製作会社で撮影担当。
98年英国に留学中、障害者に携わるボランティアをする。
99年「国境なき医師団日本」で映像制作部、
03年「国境なき子どもたち」に勤務し、
日本では広報、海外事業、会計業務などに携わり、
海外の活動地ではプロジェクトの調整やビデオワークショップなどを行う。
こんにちは。コーズの藤澤あすかです。今回は、特定非営利活動法人国境なき子どもたち、広報担当の清水 匡氏へのインタビュー(一話完結)をお送りいたします。それでは、お楽しみ下さい。
私たちは子どもの頃から当たり前に教育を受けている
「国境なき子どもたち」は、現在アジア10カ国で子どもたちの支援をしているNGOです。 我々日本人は、子どもの頃から当たり前のように教育を受けていますが、世界には様々な要因で、最低限の教育すら受けられない子どもた ちがいます。 貧困などが理由で路上生活をしている子どもや人身売買の被害に遭った子ども、大規模な自然災害、紛争下にいる子どもたちなどです。 私たちは、そういった子どもたちに教育の機会を与えつつ、心理的なサポートも行っています。
支援の優先順位にこだわらない

私たち以外にも、アジアの子どもたちを支援している団体は世界に沢山ありますが、私たちの1番の特徴は「 支援の優先順位にこだわらない」ことです。 例えば、目の前に5歳と15歳の子どもが居るとします。 どちらを優先的に支援しますか?と問われた場合、あなたなら、どちらを選びますか? ほとんどの人は、5歳の子どもを優先的に支援するというでしょう。その理由は、年齢的にも若く、社会的にも弱者であるからです。 しかし、5歳の子どもを優先的に支援する団体が増え続けると、そうでない、もう少し大きい子はどうなってしまうのでしょうか。 勿論ですが、5歳の子どもは永遠に5歳ではありません。 どうなってしまうかというと、 それがちょうど15、6歳という年齢に達すると、支援がぱったりと終わってしまうことが多いのです。
支援がストップしてしまった子どもたちは
自立することが困難になる。ある日、支援団体から手放されてしまった子どもたちは、 自立が出来ないまま路上で成長し、子どもを生み、親になります。そして生まれた子どもは生まれながらにストリートチルドレンとなるの です。 この悪循環がなかなか断ち切れないのです。 恵まれない子どもたちを生み出す、悪循環なスパイラルが永遠に繰り返されるのです。 私たちはその悪循環スパイラルを無くすべく、支援が受けられにくい年齢の子どもたちを支援しています。 例えば、職業訓練。 訓練後、得た技術で仕事を始めることができます。 もしその後、仕事を辞めてしまったとしても、私たちはそれを失敗だとは思いません。私たちは、彼らが再び路上に戻らないように...と、 サポートをしています。自立して生きていこうとする気持ちを養うことが重要だと考えているからです。 まさか、悪循環スパイラルのような現実があるとは日本で想像することは難しいかもしれません。
募金などは集まるのでしょうか?

災害支援の場合には、世界の関心が一気に高まります。 メディアにも多く取り上げられます。 募金も集まりやすいといえるでしょう。 しかし、ストリートチルドレンや人身売買の被害にあっている子どもたちは、メディアもなかなか取り上げてくれません。一般の方々が「 何かを」したいという意識を高める為に、私たちは広報にも力を入れなければなりません。 お金の支援では気持ちが伝わらないという方もいらっしゃいますが、物資の支援ですと輸送費がかかってしまいます。その輸送費で現地で 同じものが買えたりするのです。お金が実は一番有意義に支援が行き届く方法だということをご理解いただきたいと思います。 その分私たちは報告義務を徹底しています。どの団体にも言えることでしょうが、そこで信頼を保っていかないといけません。
日本の子どもを海外に派遣する
国内に向けての活動で代表的なものは、97年から行っている日本の子どもたちを海外に派遣するプログラムで す。 「一方的な支援ではなく、我々日本人も現地の子どもたちからたくさんのことを学んで共に成長していこう。」というコンセプトです。 日本人の子どもが現地で見たり聞いたりしたことを帰国してから友達に伝えたりメディアを通して一般の方に伝えたりという活動もしてい ます。
「友情の5円玉キャンペーン」
主に小、中、高生に声をかけ「友情の5円玉キャンペーン」というプログラムを行っています。 従来の募金活動と異なる点は、ただお金を集めるのでなく、日本の子どもたちに「あつめたお金が何のために使われるのかを知る機会」を 与えていることでしょう。 例えば、「5円玉何枚で現地の子どもの教育費が1日分賄えるか」など、テーマを用意して子どもたちに学んでもらっています。 キャンペーンは期間を区切っています。その方が子どもたちが取り組みやすいからです。 基本的には私たちからポスターや募金箱を提供しますが、子どもたちがオリジナルで作ることもあります。やり方や考えも自由に、先生も 一緒になって恵まれない子どもたちのためにお金を集めるというキャンペーンですね。
現状の課題は?

現在もそうですが、資金繰りの課題がやはりあります。 海外のプロジェクトができてからは、自分たちの活動をアピールできるようになりましたが、ただ貧困層の子どもたちの写真を見せるだけ では説得力がありません。 なぜこういった子どもたちに支援が必要かということを色々な所へ足繁く通い、説明させてもらっていました。 設立から今の規模になるまで、一般の方のご支援とメディア発信や地道な活動で、少しずつ理解を得てきました。 お金がないからプロジェクトを減らすのではなく、お金がないときに多少無理してでもやることで、活発な団体だという印象も与えられま す。 お金がないからスタッフを縮小したり、支援国を減らしたりするのでは団体も伸びません。
清水さんが団体に関わるようになったきっかけを教えてください
私がNGOの世界に入ったのは1999年です。 その頃は、国際協力という言葉もほとんどなじみがないもので、NGOもやっと市民権を得た時代でした。 私は元々、撮影を専門職にしていて、別のNGOで映像をメインとした広報を担当していました。 そこで色々なNGOの現場を見て学んでいくうちに、今の団体に関わるようになりました。 広報に割く資金は、どこの団体も苦労しています。専門知識を活かしつつ、我々スタッフも働きながら日々学んでいます。我々の団体は極 力外注せず、各スタッフが経験を活かしながら手作りで広報を行い、経費の削減につなげています。
誰にでもできる社会貢献の方法はありますか
日本の子どもたちによく言うことは、募金をするのもいいことだけれども、まず、自分が学んだ現状を人に伝 えることを勧めています。それを聞いた人が何かするかもしれないし、広げていくことで大きな力になると思います。
●15、6歳という年齢に達すると、支援がぱったりと終わってしまうことが多い
●「あつめたお金が何のために使われるのかを知る機会」を与えている
●まず、自分が学んだ現状を人に伝えること
国境なき子どもたち/広報担当、清水 匡氏へのインタビューは以上になります。
お読みいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに。
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Wrote 2009.08.10 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>