vol.136 徳田太郎
日本ファシリテーション協会(FAJ)理事・事務局長 URL:http://www.faj.or.jp
【個人プロフィール】
1972年、茨城県生まれ。大学卒業後、民間企業において
各種イベントの企画・運営に携わる。
2003年に中小企業診断士・ファシリテーターとして独立、ほぼ同時期に設立された
「日本ファシリテーション協会」に入会。
2007年から事務局長として法人運営に当たる一方、
自身も「会議を変える!組織を変える!社会を変える!」をキャッチコピーに
全国の地方自治体、NPOや市民組織、病院や民間企業などを対象に、
年間120日以上のワークショップやセミナーを実施している。
他に「茨城NPOセンター・コモンズ」理事、つくば市民大学を運営する
「ウニベルシタスつくば」代表幹事なども務めるほか、森林インストラクターの顔も持つ。
【団体プロフィール】
・設立年/2003年
・主な活動拠点/日本全国
・組織構成/役員12名・職員12名(すべて無給)、会員約1,200名
・どんな関わり方ができますか?/会員として活動に参加、ファシリテーションのス
キルとマインドを磨いて、自身の現場の話しあいを変える
こんにちは、Causeのふじさわです。
子どもの頃から自然としてきたこと、それは"話しあい"。
みなさんは、今までどんな話しあいをしてきましたか?
ちょっとしたスキルを身につけるだけで"ただの話しあい"が
"心地よい話しあい""大満足の話しあい""やるべきことが解る話しあい"と変化していきます。
今回は、話しあいのスキルを普及し、
社会に貢献している「日本ファシリテーション協会」事務局長、
徳田さんのお話をお伺い致します。
ファシリテーションとは、どのようなものですか?
一言で説明するのはなかなか難しいのですが、日本ファシリテーション協会(FAJ)のwebサイトでは、次のように定義しています。
「ファシリテーション(facilitation)とは、「促進する」「容易にする」「円滑にする」「スムーズに運ばせる」が原意です。
人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶように舵取りするのがファシリテーションです。」
たとえば、多様な人々が集まる話しあいの中で、相互作用によって「三人寄れば文殊の知恵」が実現したり、
それによって行動や関係性がよい方向に変化したり...ということがありますよね?
そのような状態を実現するために、場に対していろいろと働きかけをしていくこと、
あるいはその技術が、ファシリテーションであるといえるでしょう。
日本ファシリテーション協会とは、どのような団体ですか?
よりよいファシリテーションとはどのようなものか、
言い換えれば、どのような働きかけをすれば
人々の「思い」や「考え」が響きあいやすくなるのかを、
日々研究・実践するとともに、そのようなファシリテーションを
普及するための活動を展開している団体です。
話しあいの技術を磨き、みんなが納得できるような話しあいの場を
あちこちにつくっていくこと、世の中の話しあいの場をどんどん変えていくこと、
そしてそれによって、人々が互いに響きあう社会をつくっていくこと。
これが、FAJのミッションです。
具体的には、どのような活動をしているのですか?
現在、全国に10箇所の活動拠点があり、それぞれの地域で、月に1回のペースで定例会を行なっています。ファシリテーションに興味を持ち始めたばかりという方から、
プロとして活躍しているような方まで、
毎回20~80名くらいが集まり、ワークショップ形式でお互いに学びあっています。
この定例会が活動の軸ですね。
詳しくは、イベントスケジュールをご覧いただければと思います。
その他にも、全国フォーラムや公開セミナーを開催したり、
ファシリテーターを必要としている場とファシリテーションを実践したい会員とをマッチングしたり
といった事業を展開しています。
すべての活動が会員のボランティアによって担われており、私も含めて有給のスタッフは一人もおりません。
広報はどのようにおこなっているのですか?
会員の著作を通じてファシリテーションやFAJの活動を知ったという方が多いのですが、
そのようにして入会した方々が、
自分自身の所属する組織でファシリテーションを実践することも、
広報(口コミ)と同様の働きをしていると思います。
職場での話しあいを変えたいという会社員や自治体職員の方、
NPOや地域コミュニティなどでまちづくりに関わっている方、
一方的な講義ではない学びの場をつくりたい教育関係の方など、背景はいろいろですね。
徳田さん自身がファシリテーションに出会ったきっかけは?
私も、書籍を通じてですね。
中小企業診断士として独立・起業した直後に、
FAJの設立者である堀公俊さんの『問題解決ファシリテーター』という本と出会い、
コンテンツ(自身の知識)を提供するコンサルタントではなく、
プロセス(知恵を生み出す場づくり)を提供するファシリテーターという働き方、
生き方があるということに気づかされたのです。
現在では、FAJの理事・事務局長としてファシリテーションに関わるだけでなく、
自らもセミナーやワークショップの企画・運営を通じて、ファシリテーションの普及に励んでいます。
徳田さん自身のミッションをお聞かせください。

「本当に、人と人、人と社会、人と自然は『つながって』いるのだろうか?」という疑問があります。
複数性や多様性は、本当に活かされているのか。
共に持続可能な世界をつくっていく仲間として、つながっているのだろうか。
個を活かしながらつながっていくためには、
対話や討議などの話しあいがベースになると思います。
誰かに任せるのではなく、自分たちで考え、自分たちで決める。
力(声の大きさ)や数にものをいわせるのではなく、皆が納得できるような話しあいを実現する。
自分たちのことだけを考えるのではなく、
社会や環境といった網の目の中の存在として、最適な知恵を紡ぎ出していく。
おそらくそれが、真の意味での市民社会、デモクラシーの実現なのだと思います。
そういった意味では、話しあいの民主化、話しあいによる民主化が、個人的には大きなテーマとなっています。
もっと詳しく:ファシリテーションの社会学
ファシリテーションを通じて、
どのような社会貢献ができますか?
たとえば、身近な話しあいの場で、
誰かが思いを言葉にできないでいるような時、
それをテーブルの上にのせるのをそっと手助けしてあげる。
一人のつぶやきが、他の人の想いや考えと結びつき、
形になったら、それはすでに「社会貢献」なのではないかと思います。
みんなが納得できるような話しあいの場をあちこちにつくっていくこと、世の中の話しあいの場をどんどん変えていくこと、そしてそれによって、人々が互いに響きあう社会をつくっていくこと。これが、FAJのミッションです。
以上で、徳田氏のインタビューを終了します。
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Wrote 2009.08.10 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>