vol.146 宮本 充
CANVAS (キャンバス)/ディレクター URL:http://www.canvas.ws
【個人プロフィール】
・名前/宮本 充
・団体名/CANVAS (キャンバス)
・役職/ディレクター
大学在学中よりCANVASのアルバイトスタッフとして様々な活動に関わる。
卒業後、常勤スタッフとしてCANVAS活動に参加し、子どもの創造・表現活動に関する様々なプロジェクトやワークショップ・イベントのディレクター、
講師を務めている。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科研究員。
【団体プロフィール】
・設立年/2002年
・主な活動拠点/
東京都内を中心に活動。埼玉、千葉、大阪、静岡、長崎、宮城など地域でのプロ
ジェクトも多数実践している。
・どんな関わり方ができますか?/
学生、社会人向けの各種ボランティアスタッフを常時募集中
その他、様々な協同事業のご提案も随時募集中
・ホームページ/http://www.canvas.ws
こんにちは!Causeふじさわです。 とある休日。誰も登校しない大学が、子どもたちのテーマパークに早変わり!? 童心が抜けきれていない私は、「CANVAS」の宮本さんのお話を聞いて目が輝いてしまいました。 大人が培ってきた知恵やチカラを、ワークショップというかたちで子どもたちへ還元する。 しかも会場は、休日の使われていない大学のスペース。これぞ一石二鳥! 今号は子ども向けのクリエイティブ・ワークショップ活動の全国普及を推進しているNPO「CANVAS」の宮本さんにお話を伺いました。 「CANVAS」は、幼い頃夢見ていた、移動サーカスを思わせる(今も夢見ています。) なんともすてきな団体です!
私たちCANVASは「子どものための創造・表現の場を提供し、豊かな発想を養う土壌を育てる」という目標の元、3本の活動の柱を立てて実践しています。 まずは、様々なテーマの子ども向けワークショップ・イベントの企画・コーディネイト・実施をいろいろな方々と連携しながら行うということ。それから、ワークショップに関する調査研究の実施。そしてワークショップそのものを普及・啓発していく活動です。 「子どもたちのクリエイティブ活動のプラットフォーム」というと、ちょっと格好良く聞こえますが、いろんな大人たちが集まり、連携し、力を出し合って子どもたちの創造と表現の場を整えていく。そんなイメージ。CANVASは、そんな「場」そのものなんです。 今の子どもたちはケータイ、パソコンなど、生まれながらにしてデジタルに囲まれている、デジタル世代ですよね。過去とは比べ物にならないくらいの情報量。多様なコミュニケーション手段、革新的なツールの数々。大人でさえついていくのがやっと、という時代です。「読み、書き、そろばん」というような単純なハナシじゃなくなっているわけです。そういう意味では、今の子どもたちは、とても大変ですよね。 しかし、子どもたちをよく見てみると、自分たちの時と同じようにワイワイやっているわけです、当たり前ですが。彼らにとってはアナログもデジタルも関係ないんですね。どの時代でもそうだと思いますが、子どもたちは身の周りの環境を使い倒すパワーが根本的に備わっているんだと思います。あらゆるものを遊び道具に変えてしまったり、大人が思いつかないことをやってのけたり。 これからの新しい社会は、そんな風にして子どもたちの世代が切り拓いていくんだと思っています。今の子どもたちが、新しい表現方法を開拓し、ルールを整えながら未来を切り拓いていく。 CANVASは、そんな新しい社会に最も必要とされるものが、主体的に創造し、表現し、世界に発信していくチカラだと考えているんです。子どもたちが、自分自身で感じ、想い、考えたことをカタチにする。デジタルとアナログを縦横無尽に走り周り、昔ながらの道具を使ったり、最先端のデジタル技術を駆使したりしながら。 大人の役割は、子どもたちが最大限に活躍できるような環境を整えること。子どもたちの創造と表現の場や技術、ノウハウを提供することです。こんな理念のもと、様々な人々が手を取り合って協同しながらCANVASの活動が進んでいくんです。
CANVASはこれまで、様々な活動を行ってきましたが、2004年から毎年実施している「ワークショップコレクション」 というイベントは、CANVASの特徴を分かりやすく示しているかもしれません。 このイベントは、全国に点在するこども向けワークショップを一同に集め、一般へ広く紹介する博覧会イベントです。活動の位置づけとしては、「ワークショップの普及・啓発」にあたります。2008年度は、東京・慶應義塾大学の三田キャンパス2校舎をまるごと会場とし、そこに全国から70種類ものワークショップ・プログラムが集まりました。なんと、イベント2日間で、合計10000人もの来場者があったんですよ! このイベントは、第一に子どもたちの創造・表現の場です。子どもたちは様々なワークショップに参加できます。造形、工作、デザイン、サイエンス、音楽、映像、環境...多様なジャンルのワークショップが子どもたちを迎え入れてくれます。リサイクル素材を使ってオリジナルのオブジェを作ったり、お菓子で家を作ったり、パソコンでアニメーションを作ったり、和紙漉き体験をしたり、体全体を使ってコミュニケーションするゲームをしたり...。普段の学校では味わえない、何か特別な体験。遊んでいるようで、でもそれだけじゃない。ひとたび子どもたちのクリエイティビティを刺激すると、もう止まりません。夢中で手を動かす子どもたちに、一緒に来た保護者さんも、びっくり、という感じなワケです。「ウチの子は、こんなことにも興味があったの?」なんて、お子さんの新しい側面を見つけちゃったり。子どもたちにとっては、新種のテーマパークのようにうつっているかもしれませんね。 そしてまたこのイベントは、全国各地で子ども向けワークショップを実践されている方々の発表・交流の場、これからワークショップを実践したい、という方々の情報収集の場でもあるんです。 私たちは子どもたちに、とっておきの体験をしてもらいたいのはもちろんですが、大人たちにとっても、刺激あふれる場であってほしいと願っています。実際、ワークショップコレクションに集まるのは、世界的にも最先端の素晴らしいワークショップばかり。会場にいらっしゃった大人たちが刺激を受け、何かを持ち帰り、また新たに広がっていく。そんなことを期待しています。 幸いこのワークショップコレクションは、毎年、イベント来場者数がウナギ上りなんです。 「ワークショップに参加したい」という子どもたちや保護者が増えているのはもちろんですが、行政、企業、ミュージアム、大学関係者、研究者、アーティストなど、セクターを超えて、様々な方々が「ワークショップ」に注目し、取り組もうとしていることの証なんだとも思います。いろいろな大人たちが、アイデアと知恵を出し合って、子どもたちに場を提供する。ワークショップコレクションは、CANVASの理念を体言するものです。
私がCANVASのスタッフになったのは大学時代に、たまたまワークショップ活動のお手伝いをしたのがきっかけでした。縁あって、卒業と同時にそのままスタッフに。子どもが好きだったこともありますが、実際のワークショップの現場で、ワークショップの力や可能性を感じたことも大きかったように思います。 よいワークショップは、関わる人みんなが楽しめるんです。予想できないものが出来上がるドキドキ感であったり、子どもにハッとさせられる瞬間であったり。いつの間にか大人も大人としての役割を忘れて、一緒に夢中になってしまうような時間。そんなワークショップが理想だと思っています。CANVASが独自でワークショップを企画・実施する時は、もちろんまず子どもにとって有意義な体験になるように、と考えますが、実は頭では子どもに負けないくらい大人も楽しめるように!と思っています。大人がワクワクできないことなんて、きっと子どもも楽しめないはずですから。子どもに負けないくらい大人も楽しむ。そんなことを考えて活動に取り組んでます。
幸いなことに、活動の趣旨にご賛同頂けるサポーター、コラボレーターがだんだん増え、CANVASの活動が徐々に大きくなってきています。 社会貢献活動の一環で子どもたちのためのプロジェクトを実施する企業。放課後の子どもたちの居場所を整備する自治体。斬新なワークショップを全国に届けるためにパッケージ化するアーティスト。斬新な子ども向けソフトウェアを制作する研究者。ホントに様々なセクターの方々ですね。休日のCANVASのワークショップで活躍する敏腕ファシリテーターは、社会人や大学生も多いんですよ!子どもたちのために、大人たちが手を取り合い、力を出し合う。これからも多くの方々と共に、さらに活動を広げていきたいと願っています。 そういえば、CANVAS事務局の中で昔からあたためているアイデアがあるんです。もっともっとサポーターが増えたら実現したいね、なんて言っているんですが。 毎年5月5日って「子どもの日」ですよね。この1日だけは、街全体を子どものために使うというプロジェクト。道路でも、テレビでも、街の企業の広告でも、普段は子どもが手の届かない大人の世界のモノを、とにかく全て「子ども」に開放してしまうんです。 例えば、街の大型スクリーンや電車内のモニタでは、子どもが作ったアニメやメッセージビデオが流れている。子どもの漫才とか一発ギャグなどでも面白いですよね。道路だってもちろん、車は通行止め。子どもの自転車と三輪車だけ通行可です。特別に臨時国会が招集され、子どもが国会議事堂に押しかける。子どもが国の代表たちにモノ申す、みたいな。各県の「子ども知事」が夜7時からテレビで大人たちへ提言をする、なんてどうでしょう?毎年「子どもの日」を境目に、社会・経済が変動するかもしれないですね。 そんな夢のようなプロジェクト。いつか大人が本気で手を取り合えば、叶うはず。
●子どもたちのクリエイティブ活動のプラットフォーム
●子ども向けワークショップの祭典「ワークショップコレクション」
●子どもに負けないくらい大人も楽しむ
以上でCANVAS宮本 充氏へのインタビューを終了します。
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Wrote 2009.10.03 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>