vol.117 國田 かおる

Carbon to Forests代表  URL:http://ctf.jp/

1979年7月生まれ
1985年~1990年 小学校時代をNYで過ごす
1994年~1996年12月 高校時代をシドニーで過ごす
2001年3月 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
2001年4月 東京ガス株式会社入社
2002年4月 京都大学大学院 地球環境学舎入学
2004年4月 松下政経塾入塾
2006年9月 YENから派生した食事会「エンカレ」をスタート
2008年2月 藤崎事務所に入社。現在に至る

こんにちは! テトルの 本村拓人です!!
全4回でお届けしている藤崎事務所の國田かおるさ んインタビュー。今号はいよいよ最終号です。
前回、松下政経塾での100キロ行軍や自衛隊演習の 話を聞いたとき、思わず心の中で、(そこはもしか して、漫画の『魁!男塾』なのではないのでしょう か?)とつぶやいてしまいました。そしてこう思う のです。男塾の出身者なら間違いないな、と。...... どうでもいいことを書いてしまいました。
さて、今号は、いよいよ、現在國田さんが社員とし てお仕事をしている藤崎事務所について話を伺って います。どんな企業にも歓迎されそうな國田さんが 選んだ藤崎事務所とは果たしてどのような活動をし ているところなのでしょうか?

人間性や品格は、一緒に食事をすれば見えてく る

──現在は、環境をテー マにしたコンサルティングやプロデュース業務など を行う藤崎事務所の社員である國田さん。ここに入 社するにいたった経緯を教えてください。

はい。社長の藤崎と初 めて出会ったのは松下政経塾の塾生の頃です。環境 と経済を両立させる仕組みづくりや、エネルギーの 地産地消といった考え方について調べているうちに 、ロハスに関心を持った私は、NPOローハス クラブ の手伝いをしていたんですね。その活動を通じて藤 崎と知り合い、ロハスプロデューサーの大和田順子 さんと3人で、『日本をロハスに変える30の方法』 という本も書かせていただいています。
松下政経塾を卒塾した2007年3月、私は「卒塾して すぐは定職につくのではなく、しばらくゆっくり考 えてみたいと思います」とまわりの人たちに宣言し ました。すでにお話したことですが、私は、YEN (Youth Environmental-mind Network)という環境 サークルに入っていて、その繋がりで家守というこ とをしていたんですね。

──家守とはなんですか ?

読んで字のごとく、家 を守っていたんです(笑)。YENのメンバーで、日 中の環境ビジネスコンサルタントをしている中国人 女性から、「事務所兼住所として東京に家を借りた けれど、あまり使っていないから、若い人たちの交 流の場にしてね」と、家の鍵を預かっていたんです よ。サークルの知り合いというだけで鍵を預けてし まうなんて、いったいどんな団体かと思われるかも しれませんが、YENの中には家族に近い信頼で結ば れた関係があるんですね。
私はその家で、YENのメンバーを対象にした食事会 を始めました。YENのみんなは環境マインドがとて も高いのですが、仕事が忙しく、ついつい食生活が 乱れがち、という傾向が強かったので、月に一度、 YENのメンバーで集まって食事をしながら環境問題 について語る会、を立ち上げました。2006年9月か らですね。スタート当初は、食事会は月に一度でし た。それがやがて週に一度になり、だんだん活発に はなったのですが、家守をする期限は限られていて 、2008年2月には鍵を返さなくてはいけませんでし た。
松下政経塾は2007年3月で終わることはわかってい ました。せっかく続けてきた食事会ですし、鍵を返 す直前までやろうと思って、卒塾のタイミングでの 就職は見送ることにしました。周りからしてみたら 、信じられない選択だったかもしれませんが、自分 としては当たり前のことをしていたという気持でし た。

──やってみようと思っ たことには果敢に取り組みますよね。継続させてい ることもすばらしいです。

それで、その食事会は エンカレと名付けたのですが、これがおもしろいん ですよ。いま、いろんな異業種交流会やビジネス相 談会があると思うのですが、私がとても大切にして いるのは、同じ釜の飯を食うってことなんですね。 一緒に食事をすると、その人の人間性や品格がよく わかるんですよ。
エンカレは夜7時半から終電の時間までやっていて 、どのタイミングで来ても参加費用はひとり2,000 円なんですね。その金額で、オーガニックビールが 一本と、料理が食べ放題という仕組みでやっていま した。当然、みんな仕事をしているわけだから参加 する時間はまちまちです。で、食事会の前に「今日 は20人くらい来るよ」とか、アナウンスしておくん ですね。さて、会がはじまってですね、コロッケが 20個乗ったお皿が登場したとします。そのときにい きなり3個くらい取っちゃう人がいたりするわけで すよ。あれあれ? なんか変ですよね。
そういうことは「他の人のことも考えて!」と、き ちんと言います。環境についての勉強会ですが、そ のようなお説教と小言セットになった会でもあるん です(笑)。お片付けのときにどう動くのか、食べ 終わった時食器の片付け方次第で、お皿を洗うのが 楽になったり大変だったりするんですよ。「汚れた 食器は重ねない」とか「食べ終わった後はキッチン スクレイパーでお皿を拭いてから流しに入れる」と か一度注意すると、みんな得意げに初めて来た人に お説教したりして(笑)。本当に家族みたいにご飯 を食べていました。

──背筋が伸びそうです が、おっかないですね。参加者と皿の料理の数を常 に把握しておかないと。

(笑)。まあ、そうい った活動をしていたのですが、松下政経塾を卒塾し たタイミングで、藤崎に「就職先が決まっていない ならプロジェクトベースで手伝わない?」と誘って もらい、エンカレの活動と平行してお手伝いをして いたんです。普通の会社だったら、「食事会がある から毎週水曜日は半休します」なんて道理は通用し ませんよね。それを受け入れてくれる事務所だった ことにすごく感謝しています。2008年2月にエンカ レは終わったのですが、それとほぼ同じ時期に、正 式に藤崎事務所に入社することになりました。

柏の葉キャンパスに国際的なキャンパスシティ を作る

──藤崎事務所では、ど のようなことに取り組まれているのですか?

今は、つくばエキスプ レス沿線にある柏の葉キャンパス駅付近を、環境に 配慮した街にするという街づくりに携わっています 。柏の葉キャンパスは、秋葉原からたった30分とい う距離なのに、自然がたくさん残っているところな んですね。また、東京大学柏キャンパスや千葉大学 環境健康フィールド科学センターといった大学のほ か、国立ガンセンターなどがあり、環境と健康に関 心の高い方が集まりやすい環境が整っているんです よ。柏市の中でも環境配慮した地域にしよう、とい うことで、行政や事業者、大学などが参画した協議 会やプラットフォームがいくつも立ち上がっていま す。次世代環境共生都市として、「柏の葉国際キャ ンパスタウン」構想に基づく具体的なプログラムが 次々と展開しています。

──それはまた、壮大な プランですね。

三井不動産がそのエリ アに環境に配慮した住宅や商業施設、オフィス、ホ テルなどの建設を予定しているんです。従来ですと 、環境に配慮した建物ってなんだろうと考えると、 どうしてもソーラーパネルの設置など、ハード面に 目が行きがちなんですね。でも、それだと作ってそ れでおしまいになってしまうんです。そこで、藤崎 事務所が、"つくる、つかう、つづける "をテー マに、住民の方が継続的に環境負荷の小さな暮らし ができる街作りのアイデアを提案させていただいた んです。

──具体的には、どうい った内容なのか、教えていただいてよろしいですか ?

たとえば、マンション には電気、ガス、水道の使用量を示すメーターがつ いていますよね。それがオンラインサーバーで住民 のパソコンにつながっていて、立ち上げると一日で どれくらいの量を使用したかがわかるようになる、 とか。同じネットワークに参加している人同士だと 、一日で一番使っている量のワーストがわかったり 、また、環境にもっともやさしい暮らしをしている 家庭の使用量がわかったりするんです。また、環境 負荷が低いところには、エコポイントを発生させて 、そのポイントを使ってさらにエコ商品が購入でき る仕組みを作ったり、ですね。環境に配慮したハー ドを作っても、運用の時の配慮に勝る環境配慮はな いと思います。太陽光の電気だから好きなだけ使っ ていいという考え方ではなく、まずは省エネをみん なで実践する。そういうことが地域全体の取り組み として実現する枠組み作りのお手伝いをしています 。

できることを知り、無理をせずに継続させてい くこと

──それでは最後に、國 田さんの経済への観点を教えてください。ロハスや 環境についてメッセージしていくことと、それでお 金を稼いでいくことに関しては、両立が困難に感じ ることはありませんか?

それも、持続可能性と いうことで説明がつくと思っています。いくら稼げ るとかより先に、自分が1年間で必要とする食べ物 の量や必要な時間を、自分で決めるんですね。そし て、それを越えたものに関しては、どんどんまわり に与えるようにしています。つまり、無理をしない 、ということなんですね。
エンカレの食事会をやっていた時に学んだことがあ ります。それは自分一人でどれだけのお食事が作れ るか、ということです(笑)。私の限界は、だいた い20名分なんですね。それを越えて、たとえば30名 くらいになってしまうと、まず食事を作るのが大変 になり、後片付けも翌日のお昼までかかってしまい 、支障がでてくるんですね。そうなると誰かに手伝 ってもらう必要がでてきます。レストランを開くと しても、同じなんじゃないでしょうか。無理して座 席を40席用意しても仕方がない。それよりも、20席 が効率よく埋まる方法を考えたほうがいいと思うん ですよね。
そのように自分の上限をきちんとわきまえていれば 、人に尽くすこともできると考えていて。バリバリ にビジネスをやっている人から見ると甘いかもしれ ないのですが、ちゃんと自分のリズムを作らないと 継続的な活動は難しいと思っています。自分にとっ ての快適指数がいくつなのか。それを知ることが大 事かな。

Word of power

●続けてきたことだから、最後までやろう
●“作る、使う、続ける”をテーマに街作り
●自分を知れば、人に尽くすこともできる

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