vol.064 佐々木 文平
合同会社街オリ 代表 URL:http://machiori.jp/
1993年4月〜1999年3月 筑波大学附属駒場中・高等学校 在学、在学中、米国ペンシルバニア州の公立高校に1年間留学
1999年4月〜2003年3月 東京大学 経済学部 経営学科 在学
2003年4月〜2006年9月 マッキンゼー・アンド・カンパニー 勤務 在籍期間の半分、英語で仕事をする国際プロジェクトに従事
2006年10月〜 合同会社街オリ 代表
こんにちは!テトルの本村拓人です!!
第2回目となる合同会社街オリ代表の佐々木文平さんへのインタビュー。
前回は現在の地域活性化・観光の促進の取り組み (クイズによる情報発信や地域を知るワークショップ、人材育成など)と
学生時代からすでに起業を意識していたことなどを、お話しいただきました。
今回は、事業開始に至るまでの経緯をより詳細にお話しいただきました。
地域活性化に取り組みを、スピード感を持って推進するには、やはり「利益を得る事業として取り組むのが一番だ」と述べられています。
その理由とは? まずは地域活性化で起業を始めたきっかけから伺いました。
地域活性化で起業をすることになったきっかけは何だったのでしょうか?
地域活性化を活躍の舞台として選んだのは、アメリカに行ったのが一番のきっかけです。実は行く前は結構"アメリカかぶれ"だったのです。ハリウッド映画に憧れていたし、アメリカから帰国した友達もいて、彼らからずっと話を聞いていたので...。
そして高校生の時に実際に現地に行き気付いたのは、日本人として見られることは、たとえ国籍を変えても絶対に変わらないということ。そしてそのような現実において、日本という自分の属する国がどれだけ尊敬されているか、また自分がいかに日本のことを魅力的に語れるかということが、個人の関係を築いていくうえでも、決定的に大事だということを強く感じました。しかしどうも日本人はそれが不得意なように見受けられる。それを何とかしたいと思ったのが一番大きなきっかけです。
これをどう解決するべきか?という考えは、その後、常に頭の中につきまといました。そして大学時代を通して段々と、地域の街並みと文化に興味が向いていったのです。地域というのは足を運んで、包まれるように五感で感じられるので、非常に分かりやすい。外国人が来た時に、「あそこに行けば、絶対にいいよ!」と自信をもって言えると素敵ですよね。しかもそれが日常の生活の舞台であれば、意識は心の底にまで根ざすことになる。
そんな魅力のある地域が日本にたくさんあることを多くの人に感じてほしいし、またそう感じられる地域をつくってゆきたい。そうした考えから、観光の促進、地域活性化に行き着きました。
この分野でやっていこうと決意を決めたのは、マッキンゼーで働き始めた一年目の時でしたね。肉体的にも精神的にも非常に辛いプロジェクトに入って、こんな状況でも能動的に乗り越えてゆこうと思えるものに一生を費やしたいと痛感し、それまでも興味のあった地域活性・観光の促進の分野でやっていこうと決めたのです。
ちなみにマッキンゼーいる時には、この分野が大切であることも再確認できました。私は3年半在籍した中で、半分は英語をベースとした国際プロジェクトに関わっていたのですが、そこで来日した外国人に「週末どこにいけばいい?」と尋ねられ、困っている自分がいたりして...。「京都は?」といっても、「京都は知っている、他にどこがある?」とさらに尋ねられ...。さて、どう答えるか...ですよね。
事業化は自分のやりたいことを信じてやっていこうということだったと...
基本的に大きく物事を動かしたければ収益性がしっかりと成り立つ形で事業化することがベストだと考えています。携わる人がそこから給料もらって生活してゆけるというのでなければ、事業が文字通り2の"次"になってしまう。1位にはなりえない。
また物事を形にしてゆくには楽しいという感覚によるものだけでなく、時には辛いことを自分を律して成し遂げることも必要です。お金をもらっていないと、いやなことがあった時に「やめた!」といって何も形にしないまま投げ出してしまう人も多いですよね。こうしたことから収益性をきちんと回さないと、物事が十分な規模・早さで、更には持続的に動いてゆかないと思うのです。
そして、多くの人が生きがいにも感じて活動している「まちづくり」を、仕事として=1位のこととして取り組んでゆける場を提供できるというのは素敵ですよね。
(ちなみに、街オリは「規模」や「早さ」、「持続性」のあるサービスを提供するため事業化が大切と考えていますが、まちづくりにおいてはこうしたプレーヤーだけでなく、生きがいとして自分のペースで好きな活動をされている方々が大勢いらっしゃることがとても大切だと思っています。)
それはマッキンゼー時代にも結構企てていたのですか?
先に述べたとおり、地域活性化・観光の促進における起業を決意したのは、入社して1年目の時です。ただ具体的にどんな事業にするかは今振り返るに全く見えていませんでしたね。これには2つの理由があります。
1つは、実際に起業に踏み切るまでは、地に足をつけて真剣に何をするかを考えられていなかったこと。
マッキンゼーに在籍していた時、例えばロングステイを事業化しようと考えていましたが、独立に踏み切り、事業化を真剣に考えると、現実的に資金を集め、収益性を担保して価値あるものを実現することは今の自分には不可能だと悟りました。例えば、町屋などを借りて何かをやることも頭をかすめたけれど、すぐに実現する可能性は全く見えなかったです。
「いつかは起業する」と語る人は沢山いるけれども、ほとんどの人はそう口にしたいだけで、つきつめてゆくと本気では考えていない。今振り返ると自分もそうだったのだと思います。でもま、考え切れてなくても踏み切っちゃいましたけど(笑)。
2つ目は、実際に飛び込んで初めて見えてくるものが多いということ。これは特に、当該分野の人脈からもたらされる情報が決定的に大切だからだと思います。当該分野で何か活動していれば、ツテができ知識も付いて、事業として成立することが見えてくるのですが、マッキンゼーでは地域活性化や観光分野のプロジェクトに関われることはなかったし、勤めながら余暇の時間に十分な活動をすることは、無理でした。土日に少し行くだけでは、準備にすらならないのが正直なところ。で、起業するぞ!となった瞬間、ロングステイを真剣に考えて、これは駄目だということになり、「ひとまず飛びこめることは何か?」を考え、「インターネットで情報発信」ということになりました。
本当に事業として成り立つかは解らないけれど、大勢の人が使ってくれるのであれば何らかの形で収益は生まれるようになる、と始めました。しかし、これは今振り返ると甘すぎですね。そもそも大勢の人がどのようにして"使ってくれるようになる"かをしっかりと考えなくてはいけない。そしてそれに幾らを何人が払ってくれるのかを、身の回りの人を想像しながら現実的に想像できないと、事業として成り立つのは難しいと思います。
ただ、ある程度期待していたのは飛び込めば知識も開けるし人脈も開けるし、その中で何をして行けば良いというのが見えてくるということ。この事に関しては、大正解だったと思っています。
いま一番気にかかっていることは何ですか?
それは人材確保ですね。達成すべきことはある程度見えてきたし、仕事はたくさんある。今の陣容だと本当に回らないところにまで来たので、一緒に事業をやってくれる人をどう確保するかが、至上命題。ただ、難しいです。誰でもよければ見つかるかもしれませんが、それでは結局、結果にはつながらないですから。
まず理念や長期的に達成したいことが合う人がほしいです。自分と似たようなスキルを持っていて、事業の方向性について、真剣にぶつけ合える人。また自分とは異なるスキルを持っており、相互に補完しあえる人も良いと思います。たとえばITスキルを地域活性化のために活かしたいとか、絵が上手で、それを地域の多くの人に見てもらいたいとか。人が本気で協働し、大きな価値を生みだしてゆくって素敵ですよね。
・世界でいかに日本の魅力を語れるかが大切
・地域活性化においても、収益性を成り立たせることで大きく物事が動く
・理念の合う人が協働することで大きな価値が生まれる
最終回となる次回は、佐々木さんが思い描いている将来像を中心に余すところなくお話しいただきます。地域活性化で、そこに住む人々、ビジターにどのようになってもらいたいかや、ご自身の描くライフスタイルなど、聞いていてワクワクすることばかり。お楽しみに!
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Wrote 2009.04.13 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>