vol.052 貝ノ瀬滋 / Kainose Shigeru

三鷹市教育長  URL:http://www.city.mitaka.tokyo.jp/a002/p110/g15/d11000001.html

1948年北海道生まれ。 中央大学卒。電気通信大学大学院博士課程中退。 東京都内小学校教諭、東久留米市教育委員会、都立教育研究所、東大和市教育委員会、 三鷹市立第四小学校校長などを経て、現在、三鷹市教育長。地域と学校をつなぐコミュニティスクールの草分けとして三鷹市で様々な教育改革を実施。 アントレプレナーシップ教育導入の先駆者。著書に『市民が考えた不登校問題-心の叫びに答える-』(共著・教育出版)、 『子ども・学校・ 地域をつなぐコニュニティスクール』(共著・学事出版)他

こんにちは! テトルの本村拓人です! ! 今号も貝ノ瀬氏のインタビューをお送りいたします。

貝ノ瀬さんご自身はこのモデルを全国的に広げようという試みはされていないんですか。

特にたとえばネットワークを作って広めていくとかそういう意識的な活動はしていません。全国で言うと京都市は三鷹と並んで改革意識が高いですね。門川さん(京都市教育長)という方がいらっしゃって、この方は今度市長選にでられるので教育長をやめられるんですけど、彼が京都をひっぱっています。だから東の三鷹、西の京都とやっています。

こないだも彼からの電話では、市長になっても教育は重視していくというお話をされていました。教育再生会議などでも彼と僕は同じことを主張していて、今まで二人三脚でやってきました。  

私自身多いときは月に二、三回は地方に行って講演をしています。みなさん三鷹の教育には関心が高いんです。講演の依頼だとか、話を聞きたいという方はかなり多いんです。

実際、にしみたか学園の小中一貫とか、三鷹第四小への視察は全国からものすごい数の人がきています。そういう意味では、みなさん勉強していて、なんとか実現しようとされています。特にあまりお金がかからないですし、汎用性が高いから実現しやすいというのはありますね。

三鷹のモデルが全国に広がっていくといいですね。

ただ、うちのやり方はどちらかというと都市型なんですよ。地方になると地域は逆に過疎になっているから学校は統廃合したほうがいい、となる。学校を一つの建物にして小中一貫をつくる。あとはスクールバスで子供たちをひろっていくっていう。地方はそういう選択をしがちですね。

でも都市型のほうは、子供の数が減ってきている傾向はありますが、結局学校同士が近くにあるんです。だから都市型の場合は統廃合ではなくて、連携をするという形になりやすいと思います。

逆に「小さくて何で悪いんだ。」と、そういう発想もあります。学校はある程度の規模がないと切磋琢磨しないから、だめという意見がありますよね。でも島の学校や、僻地の複式学級でやっているところで偏屈な子供が育っているか、だめな子が育っているかといえば、そんなことは決して言い切れない。

ある程度人数がいた方が楽しいと思いますよ。友達がいた方がいい。だけれども、数が百人きったら統廃合しちゃうとか、それとは違う考え方はあるんです。むしろ逆に、人数が少ないということは、本当にきめ細かい一人一人の指導ができるというメリットもあるわけです。

財政論ではなく、教育論で考えることも必要です。そういう風に考えたら、「small school, big education」という発想も考えられる。フィンランドなんかはそうなんですよ。学校が小さい規模でいっぱいある。それこそフィンランドの地方でも一年生から、二年生まで、三年生くらいまでの学校だってあるんです。

でも別に統廃合はしない。それは学校をなくすと、地域の活力が低下するからなんです。これは教育の問題ではなくて、政治の問題なんですよ。島でも、伊豆の青ヶ島でも、御蔵島でも学校があるけど、小さすぎて、十人か二十人しかいない。だけれどもなくさない。なくしたら生活の火が消えてしまう。地域に活力がなくなってしまう。

子供が集まって学校があるから、そこにみんなが寄り合ったり、人が来るわけですよね。小さいからすぐ統廃合だとかそんな簡単に考えられることじゃない。財政が厳しいから、学校をなくすということは狙われやすいけど、お金の工面することを他のところで考えるっていうこともあってもいいかもしれない。学校は土地も広いし、狙いやすいんですけどね。

要するに教育改革も地域の実情に即した、画一的でないほうがよいのです。

Word of power

●「small school, big education」という発想
●子供が集まって学校があるから、そこにみんなが寄り合ったり、人が来るわけです
●要するに教育改革も地域の実情に即した、画一的でないほうがよいのです

貝ノ瀬氏のインタビュー(六号)は以上になります。

次号も引き続き貝ノ瀬氏のインタビューをお楽しみください!

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