vol.063 関根健次 / Sekine Kenji

株式会社ユナイテッドピープル代表  URL:http://www.unitedpeople.jp/

2002年7月
ダ・ビンチ・インターネット有限会社創立
2003年5月
募金サイト「イーココロ!」を運営開始
2003年9月
資本金を1,000万円に増資し、
株式会社ダビンチに組織と商号変更
2004年6月
イーココロ!クリック募金を開始
2007年2月
ユナイテッドピープル株式会社に商号変更
2007年9月
第2回ソーシャル・ビジネス・アワード 「マイクロソフト奨励賞」を受賞
2007年12月
日本カーボンオフセット(COJ)と共同で 日本初の「カーボンオフセットクリック募金」事業を開始
2008年2月
坂本龍一による植林/森づくりプロジェクト 「more trees」とユナイテッドピープルが提携。 「more treesクリック募金」を開始。
2008年3月
誰でも署名集めを開始できる オンライン署名サイト 「署名TV」をオープン

詳しくは↓ 
【イーココロ!クリック募金】

こんにちは!テトルの本村拓人です!! 株式会社ユナイテッドピープルの代表、 関根健次さんへのインタビューは今回が最終回です。 ユナイテッドピープルが現在リリースしている事業は、 「イーココロ!」を窓口にして、ネットショッピングなどをすればNPO、NGOに募金ができる「イーココロ!」、 クリックするだけで募金ができる「イーココロ!クリック募金」、 クリックするだけでCO2が削減できる「カーボンオフセットクリック募金」、 署名運動がオンラインではじめられる「署名TV」など。 ITを武器に幅広くビジネスを手がけているイメージがありますが、 見慣れないモデルばかりだったために、普及には骨を折ったようすです。 関根さんが成功を手にするまでには、まだこれからしばらくは時間はかかりそうです。なぜなら、彼のミッションは、ビジネスで成功することではなく、 世界の問題を解決することなのですから。 途方もないように思えるこのテーマに対して、 関根さんは「世界のすべての問題は絶対に解決できる」と断言します。

形を作ったあとで、儲かる仕組みを考えていく

ユナイテッドピープルのウェブサイトを見ると、たくさんのNGO、NPO団体が登録してらっしゃいますね。クリック募金に協賛している企業や広告出向主もたくさんいるようです。ここまでの歩みは、順風満帆といった感じだったのでしょうか?

最近はCSR(企業の社会的責任)なんて言葉もだいぶ認知されてきましたよね。環境問題に対する意識もすごく高まってきています。社会起業という方法に関してもね。

でも5年前は、まるっきり違っていました。わたしが、ユーザーである一般の方や企業の方に、"こういうことをやっているんです"と説明すると、まずうさんくさがられました。怪しいとか、募金詐欺でしょうとかね。「イーココロ!」のロゴマークを"出会い系サイトみたい"と言われたこともありました(笑)。見ず知らずの人に"失敗するからやめたほうがいい"と忠告されたこともあります。

どのような戦略で普及させていったのですか。

あきらめないこと。ただそれだけです(笑)。

よくね、戦略について聞かれるんですよ。でも、そんなものなんにもないんです(笑)。「イーココロ!」にしたって、会社を立ち上げた後で作りあげたものですし。

最近、「署名TV」という新しいサービスをスタートさせたんですよ。誰もが気軽に署名運動に参加できるというものです。これって、日本国内ではこれまでになかったサービスでね。どうしてないかっていうと、単純な話、儲かる仕組みが見つからなかったからなんです。でも、それをウチでやっちゃった。

そうするとね、また"戦略は?"と、尋ねられます。わたしは"ありませーん"と答えるわけです(笑)。だって、どうやって稼いだらいいか、わからないままはじめたのですから。

じゃあ、まったくペイできていないんですか?

ちょっとずつ収益の道は見えてきていますけど、微々たるものですね(笑)。ただ、お金よりも"こういうことがしたい"という理念を優先させたいんです。そして形を作ったあとや、形を作りながら、どうにかしてお金を捻出する方法を考えているんです。

領収書や活動報告書を出して、透明性を伝える

「イーココロ!」を運営していく中で、大変な部分、特に気を遣う部分はどのようなところですか?

"事業の透明性"ですね。ユーザーは、「イーココロ!」と提携している企業の商品を、「イーココロ!」を通じて購入することで無料で募金ができます。募金は企業がやってくれているんですね。ただ、先ほど"募金詐欺"という言葉も出てきましたけど、ユーザーに対して、ちゃんと募金されていることが伝わらないといけない。

NGO、NPOへ寄付はすべて、企業からお金を回収したユナイテッドピープルが行っています。ですが、各団体から領収書や活動報告書が届く先は、ユーザーや企業のところです。きちんと領収書を発行して、不正が起きないシステムを組んでいます。

なるほど。透明性はすごく大切ですね。それと、ウェブサイトがシンプルな作りになっていることにも注目しました。使いやすさに心を配っている印象です。

ユーザー目線に立つことは大切だと思います。ベクトルは常にそこに向いていないと。シンプルに見えるかもしれませんが、裏側では結構大変なことが多いんですよ実は多いんですけどね。

ポイントの処理やユーザーの管理サポート、寄付金の振り込みなんかもね。まぁ、すべて少しずつ改善を重ねてきましたわけです。ほかの企業と一緒ですよ。

もう、お金のことは忘れませんか。みなさん。

関根さんが意識する起業家としての資質とはどのようなものですか?

自分をうたがうことですね。人間の1日の行動パターンって、ある程度決まってくるじゃないですか。趣味があり、好き嫌いがあるわけですからね。でも、そこに留まってしまうと新しいものが絶対に受け入れられなくなるんですよね。

たとえば、美術が好きな友達から美術館に誘われたとします。自分には美術への関心がまったくない。そのときに"あ、興味ないからパス"と言ってしまうか"へー、何それ何それ?"と新しい世界を開こうとするか、それは大きな差になると思います。シャットアウトしてしまう精神は起業家としてはアウトかな。

ユナイテッドピープルが行っている"いい活動"が広がっていくために必要な要素はなんだとお考えですか?

「イーココロ!」や「署名TV」は、わたしにとって目的ではなく手段のひとつ。目的は世界の問題解決です。

これには、ひとりひとりの意識の高まりが必要だと思っています。環境問題にしてもどこかの国の貧困や紛争にしても、みんな人まかせで考えているんじゃないでしょうか。絶対にできる。できるんだよなぁ、ひとりひとりがやろうと思えば。すべての問題は解決できるんです。

たとえば、自分の会社のまわりをちょっと掃除してみたり、簡単なことでいいんです。ひとつひとつのソーシャルマインドを持った活動は、遠く離れた人との間の因果関係があり、必ず結果が生まれてくると思います。

なるほど。では最後にメッセージをお願いします。

もう、お金のことは忘れませんか、みなさん。

完全に忘れなくてもいいけど、もう少しバランスの取れた世の中を目指しましょうよ。結婚したらダイアモンドで、いい車に乗って、うまいもん食って。

でも、そんな嘘っぱちなもの手に入れている陰で、そのために苦しまなくてはならない人たちがいるんです。なぜでしょうね、経済至上主義貨幣経済の中で生きているからこうなっちゃうんでしょうかね。

だったら、せめて半分くらい、貨幣経済から出ちゃってもいいんじゃないですかね。暮らしの半分は農業やるとか。自分の食べ物を自分で作り、自分のエネルギーは自分で作るとか。そうすれば物価が上昇しようが大丈夫。どんな不況にも負けなくなりますよ。

ちっと大きい話では、過去にイラク戦争に協力したのは中東にエネルギーを依存してるからでしたが、エネルギー自給率が高まれば、あのような戦争にも参加しない選択ができたかもしれない。仲間内やコミュニティで畑を借りたり、風力発電を試してみたり、新しい時代に即した生き方を探してもいいんじゃないでしょうか。「自分の食べ物と自分のエネルギーは自分でつくる。」が今後キーワードになってくるように感じています。

Word of power

●あきらめないこと
●お金よりも理念を優先させたい
●シャットアウトしてしまう精神は起業家としてアウト

関根氏のインタビューは以上で終了です。
次号は世界最大のネットワークを持つ、 子供たちのための民間国際援助団体の「セーブザチルドレン」事務局長、渋谷弘延氏のインタビューをお送りします!お楽しみに!
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