vol.068 渋谷弘延 / Shibuya Hironobu
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン事務局長 URL:http://www.savechildren.or.jp/
国際連合児童基金(ユニセフ)東アジア太平洋地域事務所特別顧問、国連広報センター所長、国際連合児童基金(ユニセフ)事務局長上級顧問等、国連機関の様々な役職を歴任し、現職。
こんにちは!テトルの本村拓人です!! 第2回目となるセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの皆さんへのインタビュー。前回は事務局長である渋谷さんがアメリカ留学時代に経験した、「自己主張をしない日本人」という言葉が、印象に残りました。 世界の中で活動していくには、当然プレゼンスを高めることや、アピールする力が求められるのは当たり前のこと・・・ とはいえ、日本人には最も苦手な部分と俗に言われています。しかし、それって本当なのか? 日本人に、今求められている心構えなどをお聞きしました。
日本人はまず柵超えを!
渋谷さんの中で軸になっている、目指すべき方向やミッションとは何でしょうか?
渋谷
もちろんすばらしい製品、テクノロジー、経済協力、貿易投資も必要ですが、日本が国際社会で受け入れられるためには...
憲法に則ってやっている状況である限り、リーダーシップを出すには、一番苦手である国際協力、人道活動に貢献するしかないのです。外交手段としては、そこが日本の貢献なのです。「日本は外交手段が下手。」皆さんそういいます。でもODAが減ったとかそういう問題ではない。それこそ日本の若い人たちが、そのようなしっかりとした体験を持ち、寄与することが大事だと思います。
よくJICAが、Visibility(顔の見える支援可視化された状態)っていって、一所懸命にセレモニーにすぐ看板を出したがる。何でVisibilityがないかといえば、度合が低いからです。やはりプロセスの中で、核に入ってリーダーシップを発揮することで、出てくる。日の丸の旗をつけてね...まあどうせ日本の援助っていうのは、ブッシュに出すだけだけど、それで一所懸命、「Visibility」「Visibility」と一点張りで言ってしまう。そういう状況の悪条件が続いてきています。
これで終わっちゃったら、日本の社会の中での自己満足のプロセスにしかすぎない。 日本の将来を考えたときに、世界の連携なしに日本はないのだから、そう考えたら、日本は豊かな国で、人口も多い、すごい国です。だから賄えるし、成り立つ。
日本は豊かな国だから、学者もたくさんいるし、何より平和です。こんなすばらしい国はない。だから今そこからはみ出て、豊かである意味では優れている日本人として、世界とはちがった「セカイ」の日本の社会体制に片足を突っ込んでいます。
残念ながら日本は1つの国だから、人口が多くて経済的影響力があっても、世界的にはやはりマイノリティ。だから、日本の考えを曲げるのではなく、意思表示をしっかりし、日本の独特さを持って、きれいごとで言うのではなく、もっと世界の流れの中に入っていかないとならないと思います。
ただ、逆に世界に通じた日本の方々と話をすると、日本が多少無視されていることを喜んでいる。生活は豊かだし、温泉つかって、ゴルフやって、楽をして、年寄りは大事にされて。そこだと思う。
日本の人たちに、ミャンマーやバングラディシュの実態、いわゆる"国際問題"を現地に行って、感じ取ればいいのだけど、一般の人に口で説明してもイマイチの反応で、理想論で「ああかわいそうね~」と1000円くらいを寄付する。変なチャリティのメンタリティはあっても、継続的な関係性を保つことはできないのです。
日本人の海外経験は、柵を超えていない。動物園に行って、パンダを見て「かわいいわ~」と言うだけで、柵を超えてパンダに触ってみたり、匂いを嗅いだり、かまれたりということがないわけです。日本人は知識はあるのですが。でもあれは動物園なのです。その現象は当分変わらないでしょう。実際に、いまの若い起業家はすごくスマートすぎる。だからこその賢さを使って、もう一歩踏み込んでほしい。そこが僕のテーマです。
現在特集させていただいている起業家の方々は イマジネーションの欠如が一番危険だと感じている方々が多いです。
渋谷
年金がしっかりしているかどうかも、大事な話だけれど、ズレを感じる。海外に長く住んでいた人が、日本人として日本を想って、何かを起こすときに、ほとんどの人が選ぶやり方が、基本的に"だまし"です。
その方が通る。カッコいいこと言って、相応の知恵があるから、市場が聞きたいことに、合わせていけばいい。本当は、それでは何の変化も起きない。それを超えた現実って、。厳しいものです。
信頼できる外国人にしか言わないけれど、日本人と言うのはすばらしい面と、そうでない面が同居している人種のように思います。時々、海外教育をやると、馬鹿なそうでない方が目立つ。でも、それだけで判断するなというのですが、それは事実です。
具体的に日本の中の自己満足を超えて、世界とつながっていくには、どうずれば良いのでしょうか?
渋谷
それは難しいですね。うちで働く人たちは、それを一番体で感じています。日本の体制と対応しながら、国際組織、および国際社会に片足ずつ、橋のようになって、行動する必要があるのですから。
その難しさを改革する余地が全くない。改革すべきだという議論もされているのかどうか...。そういうことを、彼らにどうこういうつもりはないけど、それで成り立ってしまうような"余裕あるすばらしい国"です日本は! 圧迫感がない。だから変わらないのです。
それは我々にとっては、大変な騒ぎです。我慢でもある。根底にあるのは理想主義だけれど、それだけに走ってはいけないけど、いま日本のNGOは、きれいごとのアイデアリズムばかりだから素人でも構わないというのが、行き通ってしまうのです。
●日本が国際社会で受け入られるためには一番苦手である国際協力、人道活動に貢献するしかない
●日本の独特さを持って、もっと世界の流れの中に入っていかないとならない
より戦略的に経営、運営をするうえで今後NGOやNPOどういう形をとらなければならないのかなどを伺っていきます。次回もお楽しみに!!
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Wrote 2009.01.31 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>