vol.070 渋谷弘延 / Shibuya Hironobu
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン事務局長 URL:http://www.savechildren.or.jp/
国際連合児童基金(ユニセフ)東アジア太平洋地域事務所特別顧問、国連広報センター所長、国際連合児童基金(ユニセフ)事務局長上級顧問等、国連機関の様々な役職を歴任し、現職。
こんにちは!テトルの本村拓人です!! さて、ついに最終回となった「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の皆さんへのインタビュー。NPO・NGOとして取り組むには、プロフェッショナルな意識を持つことの 重要性を強調されていた事務局長の渋谷さん。 さまざまなバックグラウンドを持った、まさにプロフェッショナルな人たちが活動する団体の現在の活動を中心に、渋谷さんが前回同様、「ざっくばらん」に語りつくしていただきました。
NGOで重要さを増す広報戦略
三木さんに質問です。直接、企業とやりとりをされていて、NGOに対する企業の理解度はいかがですか?
三木
もともと、企業の方から社会貢献したいとコンタクトをとってくるところが多く、最近は特に中小企業や個人商店が、驚くような金額の寄付をいきなり振り込んで下さるところや、協力をしたいけれど何かできることはないかという問い合わせがすごく多いです。うれしい悲鳴ではないですが、ほとんど対応しきれないくらいです。
企業や個人からのお問い合わせ等、数多くあるんですか?
渋谷
今はある程度トレンドになっていますから多くなっています。
三木
広告を見てくださる方や個人の思い入れみたいなので来る方や、一歩踏み出してくる方が多いです。
一番こだわっているコミュニュケーションツール、交通新聞広告やCMを通して、生活者や企業からリアクションがあること自体がすごいですよね。
渋谷
こだわるのは、ポジティブな子どものイメージ。ただ、コミットをとる時はネガティブでないと、支援は取れないです。ポジティブなイメージで、新聞広告を出しても支援は取れにくいですね。
三木
ホームページを見ていただくとわかるのですが、明るい顔の子どもががんばっている姿を見てもらっています。子どもたちのために一時的な寄付ではなく継続的に支援してもらい、開発などの面にシフトしてもらえるようにしてます。
あと子どもの権利に基づいて活動しているので、それをうまく権利に基づくことで責任が明らかになり、その責任を持っている人たちを巻き込んで活動していくという訴え方をします。そうすれば、NGOはただ単にモノを配って、その場限りの支援をしているのではなく、"地元の人々が、自ら立ち上がっていけるきっかけをつくる活動"をしているのだということをわかってもらえるかもしれません。そのような、ツールなどをつくっています。
こだわりの中で、トレイサビリティもそうですが、アカウンタビリティについてもどこの団体ももちろん考えなければならない。コミュニケーションツールとして、ウェブ以外にセミナーなどは開催しているのでしょうか?
三木
やはり報告がほとんどですね。それはきちんとクリアーにしなければならない。特に大企業の方々はシビアなので、継続的なご支援がいただけなくなってしまうので、そこは一番注意しているところです。規模が大きくなればなるほど効率的になるので、支援がもっと集まれば、その流れに乗って報告もどんどんできるようになります。
会員さん同士の横のつながりのような機会はあるのですか?
三木
会員さん同士はないですね。ただ、ボランティア同士のつながりは強いです。
どういう方がボランティアとして参加されるのですか?また、参加されるきっかけも教えてください。
三木
一流企業に勤務する方や学生。自分の力をもっと役立てたい人。直接、海外で支援するのではなくて、日本にいるスタッフを支えるなど。企業の方は理解が深く、すごくよくサポートして下さいます。
今、営利企業で働きながらパートタイムだけもしくは週末だけNPO・NGOなどに従事する人が増えてきていますが、昔に比べて圧倒的に増えていると感じますか?
渋谷
圧倒的ではないけれど、確実に多くなっていますね。やはり最近の若い人たちは良い意味で自分なりの生き方をしている。
この仕事に関わることのやりがいとは何ですか?
三木
ベトナムでやっていたときも、ODAで色々としばられることもあるのですがその中でもODAを使い、質を上げることですね。
企業でも例えばINAXから環境教育に関するご提案をいただいて、プロジェクト自体を1からつくっていったのですが、企業の強みを生かしてNGOが現場で子どもとアクセスして、そのような環境に対しての意識を改善していくなどの試みを始めました。そのように企業の思いを形にしていくところにやりがいを感じます。
奉仕団体を動かすプロとしての自覚を!
三木さんからすると、企業とパートナーシップとしてやっているからそのように思えるのでしょうね。
渋谷
僕だって企業だったら、お金を出すだけではなく、そうします。世の中を良くしたいからでお金を出す。だからエンゲージなのです。意味ないですよ。終わっちゃいますよお金のためだけなら。
個人が働きたくなる、今の仕事を捨てても、このような業界に入りたいと思えるような仕事のスタイル!企業と対等の立場でコミットしていて作り上げていく形はまだ少ないのかもしれない...
まずは給料です、やはりね、きれいごとを言っても...基本的に、社会的地位ではなく、みなさん相応の経験を持っている人なので、高くすればいいだけではないけど、努力はしています。企業とは競争できないかもしれないが、現実的にNGOで仕事をしたいと考えている人は、自分の生活をそれほどまでに犠牲にしなくてもできます。やはりそこは日本のNGOというのは、全く話にならなくて、「給料もらったら悪い!」という価値観を持ってしまっている。「奉仕精神」と「奉仕団体を動かすプロ」としての職員としてのスタンスを、区別がないままにやっているのです。それが混同しているから、馬鹿な代議士の先生なんかが、「奉仕精神だから素晴らしい!日本の美徳だ、ハハハ」とか言って、それに乗せられているにすぎない。
そうではなく、人様から我々はお金をもらっているからこそ、起業家よりかプロでなくてはいけない。つまり効率的にお金をつかうことが世の中のためになるのです。サポートしてくれた個人、および組織に対して、だからわれわれが「プロ」でなくてはいけない。そのようなプロ意識のある人を雇うには、それなりの給料をこちらも払わなくてはいけないのです。
代理店、コンサルティング会社とか色々な人が絡んでくると、すごく面白いですよね。
渋谷
面白いですよ!色々な人がきます。
給料は仕事を選ぶ一つの基準になる。入る方が株式会社と違うのは、色々な利害のある人が絡むから、組織を運営するうえからも大変になるのでは?
渋谷
今、マーケティング関係は難しいです。確立された業務で、競争が激しい。だけど、事業に関することでは、ほかのNGOに比べれば多少給料も良い。募集を出すと、30、40人は来ます。みんないい経験を持っています。何が大切かというと、やはりこの独特の組織文化になじめて、エンジョイしてもらうことです。我々は、はっきり言えば、ハードルが高い。それゆえの利点がある。超一流大学出身や、国連や一流企業にいた人が多いのです。エリート化するのではなく、うちはプロ化している。NGOがプロ化したら、日本も変わります!国際的な業務をやる、第三セクターがプロ化する社会になれば、日本は絶対変わります!
そこが最終的な夢ですよね!
渋谷
割と現実的に見ています。理想は理想ですが、日本はそんなに簡単に変わる国ではない。できすぎている=発達しすぎている。それでものすごく遅れていることに気付いていない国です。変革起こすのは容易ではありません。
渋谷さんにとって、ボランティアは何ですか?
渋谷
エンジョイする手段です。奉仕精神だけでは絶対ダメ!ボランティア精神だけでは長続きしません。楽しいから仕事をする、自分の生き方の一つとして遊ぶ。その中で、自分の生活を豊かにするというところから来ていないかぎり、肩の力を抜いて自然体でなければならない。肩がこっちゃいけないのです。「ボランティアが流行っているから、やらなきゃ!」というのが一番困る。 とにかく人生はハピネスなのですよ!
●ボランティアをエンジョイする!
●第三セクターがプロ化すれば日本は変わる
そうそう!!思わずうなずいてしまいました。何事も楽しみながらやらないといけません。「人生はハピネス」―ボランティアって決して重たいモノではないのだと目からウロコが落ちました。皆さんもリラックスしていきましょう!!
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Wrote 2009.01.31 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>