vol.082 今村久美 / Kumi Imamura

NPOカタリバ代表理事  URL:http://www.katariba.net/

高校卒業後、慶應大学SFCに進学。高校時代には環境作文コンテストで全国4位に入賞したことも。2001年にSFCを卒業後、リクルートなどでアルバイトをしながらNPOカタリバを同じ大学生の竹野優花さんとともに立ち上げる。06年にNPO法人に。大学生が高校訪問をする「カタリバ事業」では 3500人のボランティアスタッフを抱える。

こんにちは!テトルの本村拓人です!! 全5回の配信でお届けするNPO法人カタリバ代表の今村久美さんインタビュー。今号は第2号です。 今村さんがカタリバをはじめるに至る原体験は、彼女が高校生だった頃にさかのぼります。 今村さんは大学進学を目指していましたが、勉強ができたわけではなかったので、慶應義塾大学藤澤湘南キャンパスが採用したAO(アドミッションズ・オフィス)入試での受験突破を試みました。学力以外の能力で人を評価するこの入試システムの存在を知ったことで、彼女の人生は大きく変わっていきます。 彼女が情報を得るために何をしたのか。そして、些細な人や情報との出会いは、人生になにをもたらしていくのか。選択肢が増えすぎたために、かえって自分を見失いやすくなった現代で、己の信念を信じて果敢にサバイブする今村さんの奮闘をぜひお読みください!

大学進学を決意した理由は"堂本剛に会いたい!"

カタリバをスタートすることになったきっかけはどこにあったのですか?

もともと、若い世代のために何か活動をしたいと思っていたわけではありません。 カタリ場は、高校生の頃の自分がほしかったものなんですよね。 ......どこから話せばいいのかな? ペラペラとしゃべってしまっていいですか?

もちろんです。

私は、地元・飛騨高山のとても偏差値が低い高校に通っていました。生徒は1学年240人ほどで、そのうち大学を目指すのは80人くらい。進学希望者のために特設クラスがあって、私はそのクラスにいました。なぜ、大学に行きたかったかというと、ジャニーズの堂本剛に会いたかったからなんですね(笑)

アハハ、いいじゃないですか。

カメラマンや、テレビ局のADになれば、堂本剛に会えるんじゃないかと考えて、そのためには大学に行かなくちゃって思ったんです。 それと、地元の飛騨高山に残っていると、なんだか自分がダメになるような気がして......。とにかく、大学に行くべきだと思ったんです。

先輩に教えてもらった、AO入試という方法

今村さんは、SFC 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスのご出身ですよね。大学は東京と決めていたんですか?

いえ、最初は関西に行きたいと思っていて。それで高校生のときに、立命館大学のオープンキャンパスに行ってみたんですよ。 そこで出会った先輩が、私にSFCのAO(アドミッションズ・オフィス)入試のことを教えてくれました。学力で勝負できるとは思っていなかったので、これはいいことを聞いた!と。

AO入試とはどのようなものか教えていただけますか?

もともとはアメリカでスタートした試験のシステムです。 学力だけのテストでは、大学側にとって不都合な、たとえば被差別人種ばかりが合格してしまうという現象が起きたんですね。すると、富裕層に"そういう大学には行きたくない"と言いだす人がでてきて。それを防ぐために導入されたシステムなんですよ。

なんだか、嫌な話ですね(笑)

そのいい部分を抽出したのがSFCのAO入試で、学科だけで評価するのではなく、高校時代の生活態度や大学に入ってから何をしたいのか、といったことをまとめた書類審査や面接が重要になります。私はSFCの9期制ですから、私が入学した年の8年前...、1990年からスタートした受験制度です。

今村さんは高校時代、今の社会や受験制度はおかしいというような反発を持っていたほうですか?

無くはなかったですけど、そういうことは誰でもみな、腹に抱えているものじゃないですか? でも、友達にそういう想いをぶつけたり、生徒会に立候補したりするようなタイプではありませんでした。普通です。堂本剛目当てで大学進学を考えていたくらいですし(笑)

入学後のアクションが早いAO入試出身者

AO入試を受けようと思ったことで、生活に変化はありましたか?

話を聞いてから、受かるような高校生活を送ろうと努めました。戦略的に委員会活動をやったり、検定を受けてみたり。

AO入試という教材があったから、取り組めたことはたくさんありますね。提出する書類の分量がすごいんですよ。"自分の特技を書いてください"とか"高校生活で、一番真剣に取り組んだことを書いてください"とか、いっぱいあるんです。 本気で受かろうと思ったら、生活態度が変えないといけない雰囲気がありますね。

AO入試は、自分自身を見つめるいい機会になりました。カタリバがいま行っているのはキャリア教育なんですが、自分自身のことを見つめる機会を高校生のときに与えてもらったことが、そもそものきっかけになっていると思います。 自分を見つめたり、やりたいことを考えて、わからないながらも書類を埋めなくてはならないわけですからね。

SFCの学生は、3分の1がAO入試で入ってきた人たちです。SFCをひっぱっているのは、圧倒的にそのAO入試組の子たちでした。でも、それって当たり前のことのような気がするんです。合格をゴールにできない仕組みになっていますから。

試験に受かるために、彼らは大学に合格した後に何をするのかを考えて文章に落としこんできたんです。だから入学後のアクションが起こしやすい。やりたいことは、入学した後でもどんどん変わりますが、高校生のときに仮説でもいいからやりたいことを提示することは、すごくいいことだと感じています。

Word of power

●偏差値が低い高校に通っていました
●自分自身を見つめる機会があった
●仮説でもいいからやりたいことを提示する

SFC 慶應義塾大学 湘南キャンパスからは、注目の社会起業家たちが続々と誕生しています。いったい、SFCとはどのようなところなのでしょうか。そして、今村さんは、SFCでどのような成長を遂げたのでしょうか。
次号は、独自のスタイルを持った学生が集まるSFCのキャンパスライフについてお届けします!

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