vol.086 小暮 真久
TABLE FOR TWO International事務局長 URL:http://www.tablefor2.org/jp/index_jp.html
開発途上国は栄養不足と飢餓に苦しんでいます。その一方で、先進国は過食による肥満や生活習慣病が問題になり、人々の関心を集めています。TABLE FOR TWOは、この食の不均衡を解消し、途上国に食料を届けて、先進国には健康的な食生活を提案する活動を行っています。
こんにちは!テトルの本村拓人です!! 今号から4回にわたって、TABLE FOR TWOの事務局長を務める小暮真久さんにご登場いただきます。 開発途上国は栄養不足と飢餓に苦しんでいます。その一方で、先進国は過食による肥満や生活習慣病が問題になり、人々の関心を集めています。TABLE FOR TWOは、この食の不均衡を解消し、途上国に食料を届けて、先進国には健康的な食生活を提案する活動を行っています。 仕組みはとても簡単です。企業や官公庁の食堂でTABLE FOR TWOが推奨する低カロリーメニューを購入してもらえれば、NPO法人ミレニアム・プロセスなどを通じて、代金から20円が途上国に寄付されるというもの。20円は途上国の学校給食1食分に相当する金額です。 「余っているところがあるなら、足りないところへまわしてあげればいいじゃないか」という考え自体は、いままでたくさんの人が思いついてきたことでしょう。それをとてもシンプルな形で実現してしまったTABLE FOR TWO。いったいどのような組織なのか、お話を伺ってみました。
肥満の問題と貧困の問題が同時に語られる皮肉
それではまず、TABLE FOR TWOが生まれた経緯を教えてください。
TABLE FOR TWOは、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムで選ばれた日本のヤンググローバルリーダー(YGL)が、カナダのバンクーバーで行われたYGLサミットに参加したことがきっかけではじまりました。YGLとは、将来国際的な活躍が期待できそうな40歳以下の若手リーダーの集まりで、TABLE FOR TWOの代表理事を務める近藤正晃ジェームスや堂前宣夫らもその一員です。
バンクーバーの国際会議では、肥満と貧困の問題が同時に語られていました。YGLはそこに違和感を持ったんですね。一方は栄養の過剰摂取に悩み、もう一方では食べるものがなくて困っている。これは一緒に解決すべき問題ではないかと思ったそうです
ふたつの問題が一緒に語られているのは、なんとも皮肉ですね。
そうですよね。だったら、余っているところから、足りないところへまわせばいいじゃないか、と。TABLE FOR TWOの基本的な発想はそこなんですよね。
バンクーバーの会議では、主に食の問題が語られたのですか?
さまざまな議題が上っていたようですね。たとえば、エイズの問題に取り組みましょうとか、寄生虫の問題に取り組みましょう、とか。近藤らが参加したのは食ではなくヘルスケアをテーマにした会議でした。高血圧や糖尿病といった生活習慣病の問題を語り合ううちに、食の問題に繋がっていったんです。
スムーズな活動のために協働体制を構築
TABLE FOR TWOは、NPO法人ミレニアム・プロミスなどと提携を結んでいらっしゃいますね。これらの団体と協働体制を取っているのはなぜですか?
最初の段階から、肥満と貧困の両方を一度に解決しようというアイデアはありました。日本医療政策機構の副代表理事を務める近藤を中心にヘルスケアへの認識はあったのですが、途上国への支援のやり方がわかりませんでした。僕らが途上国に給食室を作って、自ら配るという方法を考えてみたのですが、計算するとすごくお金がかかるんですよ。だったら給食を配る仕組みをすでに持っているところと組めばいいと考えて協働することにしました。
僕らはTABLE FOR TWOの仕組みを企業などにどんどん取り入れてほしいと思っています。ところがNPOって、存在自体がうさんくさがられるケースが非常に多いんですよ。寄付金を目当てに寄ってきた怪しい団体のように思われがちなんです。既にブランドや信頼感がある団体と組めば、そのあたりの問題がクリアできるかな、という狙いもありました。
ミレニアム・プロミスは給食のほかに学校や農業、インフラ整備なども手がけており、組むと面白いかなと思ったんです。
本当は現地に出かけて貧困にあえぐ状況を見てほしい
TABLE FOR TWOの組織としての正式名称はTABLE FOR TWO Internationalですよね。英語のネーミングやInternationalという響きから推測するに、最初から国際的な展開を考えていたわけですか?
International の部分は、NPO法人化のための書類を作っているときに付け加えました。みんなで相談していたのですが、やはり国際的な展開をしたいという話しになり、その本部を日本に置きたいと思いまして。
日本だけの展開なら「二人の食卓」といった名前もあったかもしれませんね。
そういう意見もありましたが、たとえばご提案いただいたものだと夫婦の食卓のようにも聞こえますよね。それにこのTABLE FOR TWOという響きが心地よいと思ったんです。ちょっとロマンチックな雰囲気がありますし、国際的な場では「わかりやすい。」と評判も上々です。日本発の団体ではありますが、やはりこれでいこうと。
活動の一環として瓦版を作って食堂に貼り出し、活動状況を報告しらっしゃるんですね。
カロリーを抑えたTABLE FOR TWOメニューを食べていただくと、途上国の給食一食分にあたる20円が寄付されるのですが、やはり寄付する側のみなさんはお金がどこでどんなふうに使われているか知りたいですよね。瓦版では、実際に支援先の国を視察して、どういった給食が提供されているかなどを報告したいと思っています。
実際に現地の様子を見ると、どのような感想を抱かれますか?
僕は以前経営コンサルタントをしていたので、机上の数字を見るのは得意です。でもやっぱり、実際に肌で感じることとイメージ上での数字はずいぶんと違った印象を受けますね。ちょっと驚いたのは、訪問した学校の子どもたちが意外に元気で明るいこと。といっても、恵まれているわけではありませんよ。
両親はエイズで亡くなっていたり、食事も1日一食という子供もいます。僕ならとても笑えない状況だと思いました。だからこそ彼らの笑顔には希望を感じます。貧困を抜け出すには、やはり教育や学問が必要です。しかし、ご飯をしっかり食べないと勉強だってちゃんと出来ない。食の重要性を痛感しました。
本当は、みなさんにも現地の子どもたちに会いに行ってほしいんですよ。ただ、遠いんですよね、アフリカって。飛行機で24時間かかりますから。そういった意味でも、瓦版を見てほしいなと思っています。
●肥満と貧困が同時に語られることに違和感を持った
●余っているところから足りない所へ回せばいいじゃないか
●仕組みをすでに持っているところと組めばいい
小暮さんはTABLE FOR TWOの事務局長です。
彼がTABLE FOR TWOに加入したのは、アイデアで実際に形になるのかテストが行われていた頃でした。
小暮さんはなぜ、この団体でやっていくことを選んだのでしょうか。次回は小暮さんがTABLE FOR TWOに入るまでと、NPO法人立ち上げの頃のお話をお届けします!
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Wrote 2011.08.27 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>