vol.113 池田正昭
NPO法人アースデイマネー・アソシエーション発起人
こんにちは! テトルの本村拓人です!! 全2回でおとどけする池田正昭さんへのインタビュー。今回は最終回です。 地域通貨の発行は、現在あたりまえとなっている資本主義や貨幣経済に疑問をなげかけ、オルタナティブな世界の構築を目指そうという発想からスタートしています。"いまの社会に疑問を抱くのであれば、そのシステムを無理矢理変えようとするのではなく、新しい別のものを作ってしまえ!"という考え方は、これまでに取材をしてきた方々の中にもありました。しかし、それを貨幣経済の単位で考えようというのだから驚きです。資本主義の経済システムは変わる。資本家がより儲かる仕組みが破綻していると思う人が大勢現れれば、変えてしまうことができるかもしれない。もしかすると、未来にはまだ誰も知らない幸せな世界が待っているのかもしれません。 さて、今号は、フリーランスとしてリスクを背負いながら自由な生き方を模索する、池田さんの根本的な活動思想についてお伺いしてみました!
会社はどうして辞めてしまったのか、お伺いしてもよろしいでしょうか?
雑誌「広告」で地域通貨の特集を組むなど、やりたいことを半ば強引にやっていたのですが、それが原因で会社に迷惑をかけるようなことがいくつか起きたんですよ。その後1年間はなんとかやらせてもらったのですが、そこからはグループ内の別会社に異動することになりました。 「広告」時代からすでにNPOは興していて平行して活動していたのですが、その子会社が本体に吸収されるタイミングで、退社させていただくことになりました。
別の会社に就職しようとは考えなかったのですか?
考えなかったですね。退社してまもなく港区の仕事のプロパーになりましたしね。
港区の仕事とは?
「みなと環境に優しい事業者会議」ですね。2006年の春から立ち上げています。
こちらはどういう経緯で関係されたのでしょうか?
2005年の夏に港区で、ヒートアイランドの対策に打ち水をやろうという企画が持ち上がったんですよ。しかし港区さんにはノウハウもないし、何をどうしていいかよくわからなかったらしく、打ち水大作戦本部に相談に来られて、打ち水イベントをやってくれという話になった。それで、新橋のSL広場でアニマル浜口親子や小池百合子さんを呼んで派手にイベントを開催しました。港区との関係が出来上がったのはそこからですね。 ほかに港区はエコマネーにも関心を持っていて、アースデイマネーに関わっていた僕はその相談も受けることになりました。全国のエコマネー実践者の最大の悩みは、せっかくエコマネーをつくっても最終的にその受け皿になってくれるところがない、だから使われない、ということなんです。だったら、港区にはせっかく日本の名だたる企業の本社が数々集まっているのだから、企業を巻き込んでエコマネーの受け皿になってもらったらどうかという話になり、みなと環境に優しい事業者会議が発足したというわけです。こちらは今、3年目ですね。
会社員時代と比較して、仕事に対する姿勢はどのように変化しましたか?
広告代理店だと、仕事は100パーセントクライアントのために行うんですよ。やっぱりそれってストレスが溜まることではあるし、本当に自分がやりたいことをやっているという手応えを掴むのは難しいんです。フリーになったいま、そのあたりは楽ですね。もちろん、請け追い仕事もたくさんやるのですが責任が全部自分にあるところは気に入っています。やりたくなければ、お断りすればいいことですしね。組織に所属していると、そうはいかないですから。 ですから、クライアント仕事が悪いと言っているわけではないんですよ。会社に所属しているときも、会社員でありながらNPOを立ち上げるという実験的なこともやらせていただいたわけですから、会社そのものも否定する気はありません。ただ、僕の場合は、少し時期が早すぎたのと、やり方が性急過ぎたのかなという反省はありますけどね。
自信を持ってやりたいことに取り組むコツはあるのでしょうか?
ある種の思い切りは必要ですね。思い切るか妥協するか、どちらかしかないと思います。ただ、いまの時代は、組織を飛び出しやすくなっているんじゃないでしょうかね。僕が惜しいなぁといつも感じるのは、組織に所属することに捕らわれていて、能力を活かしきれていない人がとても多いことなんですね。 例がよくないかもしれませんが、その昔、山一証券が倒産しましたね。元山一の人を何人か知っているのですが、倒産したあと、やむなく個人で仕事をはじめられて、いまはすごく面白いことをやっている人がいるんですよ。山一に勤めたままなら、果たしてその能力を活かしきれたかというと疑問です。自分の能力を会社のために発揮するか、あるいは自分と社会のために発揮するか。願わくば、後者でありたいと思いますよね。
多彩なコンテンツを立ち上げる池田さんですが、情報源として重視しているメディアなどはありますか?
人ですね。いま手がけていることも、人との出会いが基本になっていますからね。テレビは観ないし、本も読みません。音楽もほとんど聴かないですね。特にメディアに従事している方々は、さまざまな情報源から世の中のトレンドをキャッチしていくのが普通ですよね。ところが僕はとても生意気なんですけど、一番新しいのは常に自分だと思っているんですよ。身の程をわきまえていない発言で恐縮ですが、そういう思い上がりでこの10年間生きてきています。
なるほど。それでは最後に、読者にメッセージがあればお願いします。
そうですね。能力を発揮したければ会社から独立したほうがいいと先ほど言いましたが、闇雲に会社を飛び出してもしょうがない。若い人はしっかりと会社勤めをして、そこで何かひとつでもその能力の裏づけになる技術をきっちりと身につけてほしいと思いますね。いざ、環境にいいことをしようと思っても、社会貢献をしようと思っても、自分に武器がなければ、なにもできません。マーケティングが得意でもいいし、コンサルティングが得意でもいい。どういった技術を持つべきなのかはそれぞれだと思いますが、それを活用して次のステップに進むべきだと思います。僕も普通にコピーライターとして食べていきたいなと思っていて、そこから脱線したわけですが、会社で学んだことは大きかったなと思っています。
●会社員をしながらNPO活動
●やりたくなければ、お断りすればいい
●人との出会いが基本になっている
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Wrote 2009.01.28 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>