vol.015 安藤哲也 / Ando Tetsuya
Fathering Japanファザーリング・ジャパン代表理事 URL:http://www.fathering.jp/index.html
1962年
東京・池袋生まれ。現在45歳。10歳(女)7歳(男)0歳(男)の父親。
1985年
明治大学卒業後出版社の有紀書房に入社。書店営業で全国の書店を歩く。
1986年
リットーミュージック入社。音楽雑誌・楽譜等の販売に従事。
1988年
UPU入社。雑誌「エスクァイア日本版」「i-D JAPAN」の販売・宣伝担当。
1994年
書店員に鞍替え。大塚・田村書店の3代目店長に。
1996年
東京・千駄木の往来堂書店をプロデュース。初代店長を務める。
2000年
オンライン書店bk1へ移籍。02年まで店長。
その後、糸井重里事務所を経て、03年NTTドコモの電子書籍事業へ参画。
2004年
楽天ブックスの店長に就任。その後、クロスメディア事業に従事(07年10月退社)。
2007年
11月より、絵本ナビ取締役(非常勤)を務める。
2006年
11月、会社員として仕事をする傍ら、父親の子育て支援・自立支援事業を展開するNPO法人ファザーリング・ジャパンを立ち上げ、代表に選出・就任。 ※FJ組織&スタッフ紹介はこちら 地域活動では、娘と息子の通う小学校のPTA会長を務めるほか、2003年よりパパ’s絵本プロジェクトのメンバーとして全国の書店・図書館・保育園・自治体等にて「パパの出張 絵本おはなし会」を開催中。
詳しくは↓
【FatheringJapan活動日記】
http://ando-papa.seesaa.net/
こんにちは!テトルの本村拓人です!! 全4回でお届けするファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表のインタビュー。今号は第2回目の配信です。 "ファザーリング=父親を楽しもう!"というシンプルなメッセージのもと、多彩なコンテンツを提供するファザーリング・ジャパン。それぞれのコンテンツには、当然そのはじめの第一歩となるアクションがあります。 安藤さんにはじめの第一歩についてのお話を伺ったところ、その答えもやはり、いたってシンプルなものでした。 また、安藤さんは生きていくうえで"カッコイイか、それともカッコ悪いか"を重要な判断基準にしている、とおっしゃいました。そしてこう問いかけるのです。いま、あなたの生き方は、あなたから見てカッコイイ?それとも......!? 連載第2回目の今回は、安藤さんの人生の哲学が登場。 自分の生き方を振り返ったときに、 ちょっぴりドキッとしてしまう内容です!
改善すべきことに気づいたら、その足でアクション!
プロジェクトの第一歩は、どのように起こしていけばいいとお考えですか?
ふだん生活していて気になることってあるじゃない?大事なのは、それにいかに気づくかってことだと思いますね。
ファザーリングの観点で考えると、外で遊ぶ子供たちの数が少ないことが僕は気になります。あと近所に公園があるのですが池が汚いまま放置されていることとか。
だったら市役所の施設管理課みたいなところに行って「あそこどうなってんの?改善したいんだけど」って、まず相談するといいですよ。なにげなく歩いている道路もね「なんでここにはガードレールがないんだろう、危ないな。」って思うことありますよね。 普通は思って終わりかもしれないけれど、僕はその足で警察や役所に行ってしまう。
「なんであそこ、ガードレールがないの?」ってまず訊く。
「ちょっと調べてみないと」とか言ってるから、「じゃあ調べといて」と、担当者に名刺をもらうんです。「1週間後に電話するから」って。で本当に1週間後に電話するんですよ。
それはすごくアグレッシブですね!
そしたらね、署内でたらいまわしになってる(笑)それで「キミでは話にならないから、もっと上の人を出して。」と言い、そうやってだんだん上に登っていくと、区の管轄ではないことがわかったりします。すると今度は東京都に電話してね。東京都から、次は国土交通省が出てきたりするわけですよ。
そうこうしているうちに、段々と世の中の仕組みがわかってくるんですね。改善するには何が必要で、誰の判子をもらえばいいのか。たとば、複雑な申請が必要で2年ほど時間がかかることがわかったなら、今度はそれを短縮できるソリューションを考えるわけです。
会社だけじゃない人生も、あるんじゃない?
そのパワフルな行動力の源は一体なんなのでしょうか?
僕は自分がパワフルだとはあまり思わないんだけど(笑)
ひとりの市民として、あるいは父親としての意識がちゃんとあれば、当然やるでしょう。「これはマズイよな。」って気づいてることを見過ごしてしまうこと。それが僕にとっては「カッコ悪いこと。」なんですよ。
自分ひとりでは何もできないとか、社会なんか変わりっこないと思っていること自体がカッコ悪いわけです。"父親がそういう生き方、スタンスでいいの?""次世代の子供たちに、よりよい未来を作るっていう父親の大事な責任を果たしてないんじゃない?"って思います。要は、自分自身の生き方の問題なんですよね。
社会に対して、積極的に関わる方法はいくらでもあるというわけですね。
そうですよ。仕事だけしてる父親たちに考えてほしいのは、会社だけじゃない人生もあるってことですね。地域の活動や子供の学校で父親が活躍できる場は実はたくさんあるのです。
でもまったく関わらないで奥さんに押しつけてる。それでいいのかなって。子供がいるっていうだけで、関わりが持てる入場券を持っているのに父親たちは使おうとしない。もったいないことだと思いますよ。
それを使わない手はない!と。
だって主体的に関われば楽しいですから。僕は住んでいる地域にパパ友が30人いるんですが、しょっちゅう近所の焼き鳥屋に集まって、"今度は何やろう?"と作戦会議をしています。その会自体が楽しければ、みんな参加するために仕事を早く片付けなきゃって思うはずです。
近頃は、ワーク・ライフバランスが話題(WLB)ですが、WLBの目的は「早く帰ること」じゃない。「帰ってから何をするか」が重要なわけで、子どもがいる人が子育てや地域活動などに積極的に取り組み、それが楽しければ、おのずとワーク・ライフバランスは良くなるんじゃないかな。
仕事が忙しいことは子育てしない理由にならない
そのような"楽しいからやる"という感覚は、安藤さんのなかでどのようにして芽生えたのですか?
僕も実は仕事が忙しくて子育てをおろそかにしてた時期があって、その結果、夫婦関係の危険水域が上がった時期がありました。でも、子どもはやっぱりかわいいし、こんなかわいい子を産んでくれた妻を大事にしようと思った。
父親は一日にして成らず。そんな中で、じょじょに変わっていったと思います。よく仕事が忙しいことを子育てしない理由にする人がいるけれど、それはやれない理由にはなっていないことに気づいたんですよ。
理由になりませんか。
子どもより仕事が大事な人はそうなっちゃうんだろうね。まあ、うちは共働きだったし、やらざるを得ない状況でした。で、どうせやるなら楽しもうと考えたんですよ。
「やれない理由」ばかりをいつも考えて、妻の顔色を伺ってるより、やれる範囲でやった方が気持ちいいことが分かったんです。
それに忙しくない仕事なんてないし、大変じゃない育児もない。それは男も女も一緒でしょう?その中で妻と共同戦線張って同じ方向みて、どうやって折り合いを付けてやるかってことが大事でね。そういう戦略も考えずに取り組まない人は、ただ現実から逃げているだけ。で、そういう逃げる父親の姿って、幼稚で相当にカッコ悪いことにも気づいたんですよね。
もちろん最初からパーフェクトなパパなんて目指せないけど、前のめりに取り組んでやっていけば、だんだんと家族にも信頼を得て、父親としても進化することはできるよね。
安藤さんが思う、カッコ悪い、とはもっと具体的に言うとどのようなことですか?
キリないけど挙げでもいいんですか?(笑)
そうだな、まずは父親なのに家族を大事にしないこと。暴力や言葉で人を支配しようとすること。人や情報に流されること。ブランド主義なこと。自分がないこと。人の意見を聞かないこと。黙ったり引きこもったりすること。いつも不機嫌なこと。自分探しばかりしてること。自立してないこと。ほんとキリがないな(笑)。僕もまだまだだけど、自分がそうなることが、カッコ悪くて耐えられないんですよ。
だって自分で納得がいかない毎日のなかでは、おいしいビールだって飲めないでしょう?完璧な一日を過ごすことは難しいけれど、やれる範囲で取り組めばいい。仕事も育児も目指してベストを尽くせばビールはおいしくなるものです。
それに気づいたのは35歳くらいかな。成功より、日々の成長を目指せばいいと思うんです。
●僕はその足で警察に行ってしまう
●社会を変えられないと思っていることはカッコ悪い
●やれる範囲内でいいので、取り組めばいい
カッコ悪いからやらない。カッコイイからやる。これが実践できたら、モテます。間違いありません。
さて、次号はファザーリング・ジャパンが巻き起こすムーブメントの仕組みに迫ります。メディアとの付き合い方、企業との付き合い方など、社会企業家やNPOの方は必見の内容です!
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Wrote 2009.01.13 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>