vol.017 安藤哲也 / Ando Tetsuya
Fathering Japanファザーリング・ジャパン代表理事 URL:http://www.fathering.jp/index.html
1962年
東京・池袋生まれ。現在45歳。10歳(女)7歳(男)0歳(男)の父親。
1985年
明治大学卒業後出版社の有紀書房に入社。書店営業で全国の書店を歩く。
1986年
リットーミュージック入社。音楽雑誌・楽譜等の販売に従事。
1988年
UPU入社。雑誌「エスクァイア日本版」「i-D JAPAN」の販売・宣伝担当。
1994年
書店員に鞍替え。大塚・田村書店の3代目店長に。
1996年
東京・千駄木の往来堂書店をプロデュース。初代店長を務める。
2000年
オンライン書店bk1へ移籍。02年まで店長。
その後、糸井重里事務所を経て、03年NTTドコモの電子書籍事業へ参画。
2004年
楽天ブックスの店長に就任。その後、クロスメディア事業に従事(07年10月退社)。
2007年
11月より、絵本ナビ取締役(非常勤)を務める。
2006年
11月、会社員として仕事をする傍ら、父親の子育て支援・自立支援事業を展開するNPO法人ファザーリング・ジャパンを立ち上げ、代表に選出・就任。 ※FJ組織&スタッフ紹介はこちら 地域活動では、娘と息子の通う小学校のPTA会長を務めるほか、2003年よりパパ’s絵本プロジェクトのメンバーとして全国の書店・図書館・保育園・自治体等にて「パパの出張 絵本おはなし会」を開催中。
詳しくは↓
【FatheringJapan活動日記】
http://ando-papa.seesaa.net/
こんにちは!テトルの本村拓人です!! 全4回でお届けするファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表のインタビュー。今号は第3回目の配信です。 日常の中で、心をざわつかせる小さなモノ・コト・ヒト。 ファザーリング・ジャパンの安藤さんは、その小さな何かを見過ごさずにアクションを起こしていきます。その積み重ねがあれば、向き合うべき対象がどれだけ大きくなっても、怖くないに違いありません。問題に対するアクションの起こし方は、きっとどれも似ているのです。 さて、今号は、ムーブメント作りに長けるファザーリング・ジャパンが、メディアや企業とどのような付き合い方をしているのかを大紹介!メディアがフックするポイントや、企業がグッとくるコツを伺いました。 楽しみながら生み出されるアイデアと、抜群の推進力を武器に、ファザーリング・ジャパンの快進撃はまだまだ続きそうです!
楽しくやっていれば集まってくる人はたくさんいる
ファザーリング・ジャパンの活動を見ていると、周囲を巻き込む力の大きさを感じます。 このように影響力を高めるためには、どのような仕掛けが必要なのでしょうか?
"父親を楽しもう!"っていうコンセプトが、シンプルでわかりやすいところがいいんでしょうね。これまでになかったコンセプトだし、社会的に見るとアンチテーゼも含まれている。そこが求心力を持っているんじゃないかと思いますね。
でも、奇抜なことは何も言ってません。みんなが薄々勘付いていること。「そうだよね」「やっぱりそうなんだ」と納得してくれることを言ったりやったりしているだけです。
このコンセプトで、女性の自立も地域の活性化も、教育問題も、すべて筋道立った論理展開をしていらっしゃるのが驚異的です。
根っこは同じですよ。みんな、複雑に考えすぎるんだよね。それで分かりづらくしてしまっているだけなんじゃないの?
ファザーリングは、楽しそうなところがいいですね。
そこは肝ですね。人は楽しいことに惹かれますからね。やりたくないお父さんを無理に土俵へ引きずり込んだってろくな相撲は取れない。まずは、こっちが楽しく相撲を取る。楽しくやっていれば、集まってくる人はたくさんいますよ。これを僕は「天の岩戸理論」と呼んでます(笑)
潜在的なファザーリングへのニーズもあったのでしょうね。
子育てを楽しみたい、地域や学校に関わりたいと思っていた人は多いでしょうね。でも有効な情報やロールモデルがないからどうしていいか分からない。みんな「いつかはやろう」と考えてるんだけど、自分から動かないとその「いつか」って絶対に来ないんです。一生、来ないな(笑)
セミナーで僕は言うんですよ、「"いつか"を自分のスケジュール帳に書き込んでください」って。 同時に「子育ては期間限定プロジェクトですよ」「あなたの人生もカウントダウンが始まってるんですよ」って。
メディアが納得する論理を盛り込むことが普及の鍵
ファザーリングの活動は、メディアとの相性がとてもいいですね。とてもたくさんのメディアに取り上げられています。
一応、ちゃんと仕掛けてますからね。まったくの無から生み出している企画はなくて、世の中にあるものにファザーリング的なアレンジを施しているわけですが、そこにメディアが納得するような論理性を盛り込んでリリースします。社会性、時代性と新鮮さがメディアへの吸引力だから、言葉やタイミングにも気を遣います。
お金を払ってメディアを使ったりはしないわけですね。
そんな、お金ないですよ(笑)。"パパ力検定"にしても新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、Web。だいたい120社くらいのメディアが取材してくれました。広告費用で換算したら、5億円くらいになっているらしいですよ。受験した人以外にもパパ力検定の名前が浸透しますし、まあアドバルーンとしてはよかったですね。
メディアにフックするポイントはどこなのですか?
ケースバイケースだけどね、危機感と解決策の信用性かな。「このままだとマズイでしょ?だからこれが必要なんです。」というような分りやすいストーリーを描きます。
そこが腑に落ちると「ははぁ~」と感心して、取材対象になると。
記者がちょっとだけ気づいていることを、もっと気づかせてあげるんです。つまり、僕はこうすればいいと思っているけど"あなたならどうする?"と問いかける。別に取材してくれなくてもいいけど、興味あればもっと話すよ、と。逆にヌルイ質問しかしてこないときは、突き放したりもしますね(笑)。
恋愛みたいですね(笑)。
そうそうそう。押してもだめなら引いてみなってね。もちろん、一度挨拶して、それっきりなんて人もいます。でも、それは縁がなかったとしか僕は思わない。
企業の論理を踏まえたうえで、巻き込んでいく
企業へのコンサルティングもされていますが、ニーズは増える傾向にありますか?
まだあまり多くはないけれど、情報が横で伝わったからか、「ウチもお願いします」と、手を挙げてくれる企業は増えてきてますね。でも、トレンドだからとか、予算がついたからとかなら残念だけどこちらからお断りすることもあります。ファザーリングに共感してくれて、本気でWLB(ワークライフバランス)の推進をやる気あるところとだけ組みたいんです。
気持ちが入っていないところは、成果が上がらないということですか。
そうですね。周囲に流されて何となくやっても、たぶん何にもならないですよ。担当者の目を見ればわかります。まあFJ(ファザリングジャパン)も仕事選んでる場合じゃないとも思うんだけどうちは金儲けでやってるわけじゃないし、それでいいんです。情熱のない人と一緒にやっていてもちっとも楽しくないし。そんな暇なんてないもの。
やる気の面での合意が取れたら、クライアントに対して次にやることはなんでしょうか?
その企画は企業の中で、誰が言い出して、どのくらい意味があるのかを尋ねます。社長直下型プロジェクトなのか労働組合から生まれてきた提案なのか、担当者に聞けばいろいろわかってくるじゃないですか。それによってコンサルの内容も変わってくるし、次の展開も見えてくる。
どんどんいきますね(笑)
「これ1回きりなの?それとも連続?」「何年スパンで、どういうビジョンを持ってるの?」と聞かせてもらって、本気だってことがわかったら、まずはウチの会員にしちゃうかな(笑)
すばらしいです!
だってそのほうがお互いにいいと思うから。信頼関係もだけど、同業他社に対するアドバンテージができるわけですからね。僕もFJ(ファザリングジャパン)の前はビジネスの世界で長いこと生きてきたから、企業の論理はわかりますよ。
普通のNPOには、そのあたりがわからないところなのかもしれません。自治体と企業はやはり価値観が少し違います。良い悪い、は別としてですが。郷に入れば郷に従え、でね。その企業のやり方に順応して、担当者が気持ち良く仕事できるようにしてやればいいんですよ。
●“いま”動かなければ、“いつか”は一生、来ない
●広告費用で換算したら、5億円
●担当者が気持ち良く仕事できるようにしてやればいい
“ファザーリング=父親を楽しもう!”という
シンプルなメッセージの力強さに加えてこの安藤さんの存在感。ファザーリング・ジャパンがパワフルな理由は、このふたつに秘密があったようです。
さて、次号はいよいよ最終回。あなたは、あたなの人生を、思いっきり楽しめていますか!?
*読者の皆様へ*
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Wrote 2009.01.13 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>