vol.031 春山 佳久
株式会社とれいす代表取締役社長 URL:http://www.trace.co.jp/index.html
2003年 全米大学工学賞受賞
2004年 UCLA 航空宇宙工学科を卒業
2005年4月 株式会社電通へ入社 新聞局にて日経新聞、日経産業、日経MJ、日経金融の担当をする
2007年5月 株式会社電通を退社
2007年6月 Google Inc.入社。広告営業マネージャーとして「Google Adwords」「You Tube」のコンサルティング営業を実施
2008年7月 Google Inc.を退社した後、翌8月に株式会社とれいすを創業。代表取締役社長に就任
撤退後、いよいよ農業ビジネスに軸を定めていくんですね?
他のネタを探しているときに、私の実家が専業農家で、
いつかは実家のために仕事をしなければという考えがどこか脳みその中にありました。
そんな中、実は父親が市議会議員に当選し、
22歳になる僕の弟、農家を専門的にやると言い出した。
22歳で、数十ヘクタールある農地を1人でやるのは、
兄貴として手伝いたい、協力したいと思ったのが、農業を始めた最初の動機でした。
僕は3人兄弟ですが、2番目は運送会社で、物流はできるので3番目が生産するなら、
長男である自分が販路をつくればなんとかなると思い、
トマトやキャベツをレストランに営業すると、これまた結構売れる。
それで手ごたえを感じました。
親戚に聞いたりしても販路開拓は簡単ではなくて、
農家の人はみんな苦しんでいる。
うちの町は、恵まれていて、若い人がどんどん戻ってきている。
彼らは携帯電話を使えるので、新しいビジネスモデルを農業に吹き込めるのではと感じたり。
そこから農業を営む全てのスキームをホワイトボードに書き出して、
そのひとつひとつのスキームにITを組み合わせて、事業をイメージしていました。
まだまだ面白いことができる!ITと180度違う分野と組み合わせることで、
面白い事業を作れると感じていたこともあり、すぐに起業を考えました。
これが昨年(2008年)4月下旬です。
でもそのときはまだ具体的にこれだ!という事業モデルは決まっていませんでした。
様々な農家の方々とお話をした中で、ほぼすべての方がは売上をもっと上げたい、
そのためには販路開拓が重要と言っていました。
であれば、インターネットで野菜を販売すればいいのでは?という、
ものすごくストレートな考えが芽生え、取引させて貰える農家を探す営業をしていました。
結論から言うと、流通が最大の課題で、生の野菜は
日持ちしない、重い、かさばるとなかなか解決方法が見つからず、既に既存でうまく野菜の宅配サービスを実施している企業がいたので、
僕がその道で農家を支援をするよりも既存の企業が農家支援して頂いた方が
早いと感じてしまい途方に暮れていましたけどね。
春山さんが次に打った戦略とは?
農家に修行に行ってました。
1個5kg ほどのかぼちゃを1日に1500個収容しなくてはいけない。
ちょっとでも傷がつくと売り物にならないので、丁寧に扱う。
修行先の人は、ずっと何も働かなくて、「この野郎!」と思いましたね。
彼は事業者としてはすごく上手くて、土地を安く、しかも土壌の調査もして
そのトマトにベストなところの土地を借りた。
そうすると、良いものをつくれる。
車で15分ぐらいのところに、トマトの畑があり、
そのとき10月下旬で、北海道だから雨が降ると一気に気温が下がるのですが、
そうなるとハウスを閉めるか、閉めないかの判断をしないといけない。
ずっとモバイルを見ていて、「何をしているのだろう?」と思っていたら、
そこの娘さんから有料モバイルサイトを教えられ、
数分おきに天気情報が変更されていて、彼はコンテンツをチェックしていたんですね。
雨が降るからハウスを閉めに行くといわれて、行って閉めるとちょうど雨が降ってくる。
今まではお昼休みに午後3時と6時の雲の動きのようなものしか
テレビのニュース番組で見られなかったようですが、
それだとピンポイントで何時何分に雨が降るのか見られないので、
遠くに土地のある人は、判断が難しい。
でもモバイルサイトは最適なんですよ、更新頻度が早いので。
そこで気づいたのがモバイルのコンテンツで便利なものがあれば、
彼は69歳ですが使っているという事実に直面したんですね。
私はずっとPCを活用したネットと考えていましたが、
農家に対しては、モバイルの方が相性はいいと感じました。
それからいろいろセンターとかに収穫物を出しにいっては、
そこで働く農家の方々のお尻ばかりを見て、
携帯が入っているかを調査していました。
すると、みんなが持っていて、作業だけではなく、
飲み会に行っても、青年から年配の人までが携帯をいじっていた。
ならばそれを友好的に使えば
農家の人たちをもっともっと変えられるということで、
そのニーズを東京に持ち帰えり、モバイル×農業という切り口で事業を模索するようになりました。
春山さんが繰り出すビジネスの中で、現在キャッシュを生みだす事業とは?
まだまだ模索しているのが実態です。
農業は様々な問題が絡み合っていて、どこから手をつけていいのかがわかりにくくなっています。
なので弊社としても様々なサービスを作成し、
世の中の反応を見ながら改善を繰り返していく。
その中から事業の柱になるモデルを作っていければと思っています。
今は情報発信する農家をすくっていきたいと考えてます。
VeGieeというサイトをオープンさせていて、農家ブロガーをまずは応援しようと。
そのあとは戦略的にサービスを追加していくことになっています。
期待してください。
それ以外のメディアとしては、
家庭菜園がトレンドになりつつありますよね。
様々な雑誌をみても、農業特集や土を触っているシーンが取り上げられています。
家庭菜園を軸にしたメディアを近日中にオープンさせます。
そのサービスではSeed for Childというコンセプトをもとに
子供たちが農に触れてもらうきっかけを提供していきます。
今年は本当に様々なサービスをロンチしていくので、
注目していてくださいね。
なるほど、農業を活性化させるためには
まだまだ根底の部分で様々な課題がありますね。
春山さんの現場力とアンテナの高さ、
そして、ビジネス力を活用してぜひとも農業革命をおこなっていただきたいですね。
はい、がんばります!!
●新しいビジネスモデルを農業に吹き込めるのではと感じた
●モバイル×農業という切り口で事業を模索する
●Seed for Childというコンセプトをもとに子供たちが農に触れてもらうきっかけを提供
以上で三号にわたりお送りいたしました、株式会社とれいす代表取締役社長、春山氏へのインタビュー記事は以上になります。
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Wrote 2009.07.15 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>