vol.002 山名 清隆
株式会社スコップ代表/ソーシャルコンテンツプロデューサー URL:https://www.smartdriver.jp/
1960年静岡県菊川市生まれ。EXPO85日本政府館ディレクター、米国フードトレンド情報誌U.S.FOOD JOURNAL編集長、テレビ朝日「東京ソフトウォーズ」番組キャスターなどを経て、広報企画プロデュース会社(株)スコップを起業。公共広報・ソーシャルコンンテンツ領域で独自のプロジェクトを推進。愛妻の日を提唱する夫婦環境保全運動「日本愛妻家協会」やホメて首都高の事故を減らす「東京スマートドライバー計画」などユニークなソーシャルムーブメントを進めている。
こんにちは! テトルの本村拓人です!! 全4回でお届けするソーシャルコミュニケーション研究所 スコップの代表を務める山名清隆さんのインタビュー。今号は第2回目の配信です。 これまでとは違った文脈で、まったく新しい観点から、さまざまなプロジェクトを運営する山名さん。彼の話を聞いていると、とうてい形にできそうもないことが、すごく簡単なことのように思えるから不思議です。ちょっと白々しい発言ですが、なにか魔法を見ているような気持ちにもなってきます。 今号は、そんな山名さんが運営するスコップが、どのようなスタンスで稼動しているかについてお話を伺いました。インタビューを読んで、彼が手がける東京スマートドライバーが気になったら、ぜひオフィシャルサイトをのいてみてください。Ken Ishiiさんのサウンドがかっこいいこと!
スコップのオフィシャルウェブサイトには、スコップが使う5つの技術と考え方が提示されています。この一つ目、「動機を作る」について、どういうことなのか、ご説明いただいてもよろしいですか?
簡単に言ってしまえば、みんなが"自分が動けば世の中は変わるはずだ"という意識を持てばいいってことでしょう。"僕が世の中を変えるんだ"、と思うことが大切。 じゃあ、そう思うきっかけってどこにあるのか。日常にはあんまりないように感じるでしょ? 視点を変えればいくらでもある。動機を作るとはすなわち、"こんなふうに世の中を見るといいよ"、という視点を提供するってこと。
「君が考えていることは、社会問題を解決するモチベーションになり得るよ」と教えてあげるということですか?
その人がいきいきとやれればいい。 まっすぐに世の中に何か良きことをしようする動機。それは普通は枯れやすいのですがそれを持続可能な状態にしてあげれば、自分で主体的に行動できるようになる。僕はいまそういうソーシャル・モチベーション・マネージメントをやろうと思っているんですね。たぶん。 そういうソーシャル・モチベーションを持った集団ができあがれば、主体的に物事を決定する力が備わり、世の中の問題に具体的な目標を立てて行動することができるようになるのではないかと。
うーん、頭では理解できそうな気がしますが、実感がなかなかついてきません...。

いま、東京スマートドライバーというプロジェクトを進めています。交通の安全ってお役所が作っていたり、警察が管理しているものだとみんな思っています。それはそうですが、僕たちひとりひとりのドライバーが持っている高度な注意力が今の安全のレベルを保っているという見方もできます。警察に言われて注意するのではなく、僕たちの意思で事故を減らしていく。と考える。交通事故は僕たちの手で防げるものであり、安全でいい街を自分たちで作るんだと宣言する。そういうプロジェクトです。 このプロジェクトは、首都高の若手チームと放送作家の小山薫堂さんとで始めました。クルマ好きで首都高好きの小山さんが、自身の言葉で首都高や東京の街のことをメッセージすると "そうか。僕にもできるぞ!"っていう流れが生まれています。メールがたくさん寄せられます。いま4000件くらいでしょうか。一人ひとりが主体的に安全に走ると決めて走る、利己的でなく利他的に運転をしようとすると自然に気持ちのいい走行空間が生まれて事故が減る。そういう市民主体の新しい交通安全キャンペーンです。
確かにマナーの向上はいろいろな形でアピールされていますからね。
我々良識あるドライバーの強い意志がいまの安全のレベルを作っていると考えると勇気が湧きます。誰かがダメなのではなくて、みんなが良いことをしていると考える。合流は複雑だけどほとんどの人がミシンで縫うように上手に合流していく。 あれって高度な都市のリテラシーですよね。 僕らの暗黙の知が首都高の安全を作っている。警察が怖くてやっているわけでなく、ひとりひとりのドライバーの他者への配慮の意思がいまの安全を保っている。それをメッセージしています。
うわぁ、それは心を打ちますね。
この間届いたメッセージはこんな感じ。「僕はいままで、警察に何度も捕まりました。点数もなくなりそうでこのままでは家族にも迷惑をかけてしまいそう。ところがある日、東京スマートドライバーのメッセージを見て、こんな僕でも世の中の役立てるかなとはじめて思うことができました。ぜひ、参加させてください」。たぶんその人の中で何か確信的な変化が起こってる。これがこの人のソーシャル・モチベーションかもしれません。
東京スマートドライバ-。参加したくなりますね。
東京スマートドライバーの中にホメパトってのがあります、これがおもしろいんだ。小山さんとコンセプトのミーティングをしているときに、パトカーの話になったのね。パトカーが後ろから近づいてくると、みんな一瞬身構えるよね。メーター見て、シートベルト確認して、安全走行を心がける。 パトカーが自分を抜いていったら、"よかった、僕じゃなかった"と胸をなで下ろして、"じゃあ、いったい誰だろう?"と、悪いヤツを探してしまう。つまり僕らは、悪いヤツを探しながら運転をしているのが普段の運転です。
それは、どういう意味ですか?
たとえば渋滞が二十キロ続いていたとする。なんだこりゃ、と思って走っていると事故を起こしている車が見つかった。そうすると"あれだよ、あれ! あれのせいだよ!!"ってもうすごい勢いで言うわけです。原因を見つけて満足する。 ところがたまに渋滞の原因が見つけられないときがあります。いつの間にか渋滞が解消されてしまってね。そうなると、ちょっとストレスが溜まってイライラする。原因を特定しないと、次のモチベーションに行けないんだ。
納得いかない気分になりますね、確かに。
そうじゃなくって、たとえば、パトカーが後ろから来るでしょ? そして、「そこの車止まりなさい」と、マイクで呼びかけられる。「えー、いったい俺は何をしたんだろう?」って思っていると、警官がやってきて、「免許証を見せなさい」と言うわけ。そして、「君、いまのウインカーの出し方はとてもすばらしかった。スマートドライバーをよろしく!」と、去っていく。ウィーンって。
あははは。それはいいですね!

ドライバーは思うよね。「俺、ほめられちゃったよ!」って。次からパトカーが近づいてきたら、「次はいったい誰がほめられるんだろう」って思うようになる。悪いことを特定するんじゃなくて、いいことを期待する、いいことを見つけようとする。そうなったらすばらしい。 みんな、途方もないアイデアは実現しないと思っている。その実、そういうことがやりたいんですね。答えがわからなくて、でっかくて、そして社会がよくなりそうなこと。 普通の会社だと、予算もないし、笑われて終わりになってしまうことがほとんどです。でも、それを平気な顔して、世の中に提示する。するとおもしろいことに、あまりにも高く投げたボールは、落ちないんだよ。みんなが落とさないようにしてくれるんだね。浮いてたほうがおもしろいってみんな思ってるから。 でかすぎることは言わないようにしようとか、約束できないことは言うなって、教わってきた。だけど、本当に望まれていることであれば、言い切って提示すれば支持してくれる人は必ず現れる。
●みんなが“自分が動けば世の中は変わるはずだ”という意識を持てばいい
● その人の中で何か革新的な変化が起こってる
● あまりにも高く投げたボールは、落ちないんだよ
あまりにも高く投げたボールは落ちてこない。なぜならば、みんな、落ちないことを望んでいるから…。さて、いったい自分に、どれだけ高いボールが投げられるのか。自問自答してみるのは楽しい作業です。みなさんの夢は、夢のまま終らないのかもしれません。次号は、ソーシャル・モチベーションの秘密に、さらにググッと寄ってみます!
一緒に社会起業家メルマガを社会に提供しませんか!?
現在Granmaでは共にこのメールマガジン事業を推進するスタッフを募集しております!!我こそはと思われる方、
ぜひ一度、コーヒーでも飲みながらソーシャルなお話などしてみませんか?
お問い合わせ先はこちらから!!皆様からの熱いお便りお待ちしております!!
Wrote 2010.02.07 << 前のインタービュー | 次のインタービュー >>