vol.001 真田 武幸/Sanada Takeyuki
NPOリコリタ代表理事 URL:http://licolita.org/index.html
真田武幸
1978年浅草生まれ 桐蔭横浜大学法学部卒業後クリエイティヴアダック(株)入社。国土交通省の公共広報企画「東京ジオサイトプロジェクト」などでディレクターを担当。「打ち水大作戦」に触発され秋葉原を舞台にコスプレ打ち水「うち水っ娘大集合!」を展開し評判を呼ぶ。2005年6月に山名清隆氏と㈱スコップを起業。「東京スマートドライバー」などソーシャルコンテンツディレクターとして活躍する傍ら、「NPO法人秋葉原で社会貢献を行う市民の会リコリタ」を立ち上げ、「Myメイドバッグプロジェクト」「秋葉原環境会議」などユニークなソーシャルアクションを展開。アキバオタク文化が生んだ若き社会起業家として注目を集めている。
[プロローグ]
メイドさんと打ち水をして、電脳の街・秋葉原をクールダウン。秋葉原やメイドというオタクっぽいキーワードと、打ち水というエコな発想の組み合わせが楽しい『うち水っ娘大集合!』は、2004年の夏に開催されて大きな反響を呼び、その後は夏の秋葉原の恒例行事として定着した。
プロジェクトを発案者は、当時、広告PR会社に勤めていた真田武幸だ。『うち水っ娘大集合!』は、年を重ねるごとにスケールアップ。もはや任意団体では動かせる規模でなくなったと判断した真田は2007年12月、NPO法人の認可を取得した。
真田がNPOリコリタで、『うち水っ娘大集合!』や、買い物をするときにレジ袋を断るとメイドさんからささやかなお礼がもらえる『My メイドバッグ』プロジェクトなどを運営するのは、週末の土曜・日曜、それから仕事が終わったあとだ。平日は広告代理店で働いている。
真田にとってリコリタは、純粋な想いがぶつけられる場所、楽しいことを追求できる場所だ。「平日の代理店業務と、あまり違いはないですよ」と、真田は話すが、活動の線引きをきちんと決めていることからも、両者の性質は異なっているはずだ。
リコリタで表現される"純粋な想い"は、真田が仕事を通じて見つけたもの。勤めていた広告PR会社が国土交通省から銀座で打ち水する企画のPR業務を請け、担当になった真田は、全国に打ち水を普及させようとしているプロジェクト『打ち水大作戦』の事務局へ連絡をとった。そして、『打ち水大作戦』の現場で、ボランティアに参加する学生たちに出会ったのだ。
主体的なアイデアで、打ち水を広げようとする学生たち。ある者は国会議員にアプローチをして、国会議事堂前で打ち水ができないか打診する、ある者は地元の商店街に普及活動に行く。肩書きのためにやるわけでもなく、もちろんお金ほしさにやっているわけでもない。その彼らの想いに、真田は胸を打たれた。──僕にも何かできないだろうか? 『うち水っ娘大集合!』は、この出会いをきっかけに動きはじめた。
パソコンに憧れた、体の弱いインドア派の少年

真田武幸がはじめて自分のパソコンを手に入れたのは中学1年生のころ。毎月1000円を支払う約束で友達からMSXを買った。中学生にとって毎月1000円の負担は大きく、ちゃんとローンを支払ったのは最初の1回だけになってしまった。けれども、その友人は「今度、オレがパソコン買うときにアドバイスしてくれたらいいからさ」と優しかった。
真田は小さな頃から体が弱く、遊びはインドア派。そんな彼にとって、パソコンはずっと憧れのマシンだった。「これでゲームが思いきりできるぞ」。MSXを前に胸が躍った。パソコン雑誌「EYE-CON」を買いはじめた真田は、ぐいぐいとパソコンの世界に引き込まれていった。
中学2年生になると、今度は富士通のFM TOWNSが手に入った。同じ頃、パソコン通信なるものの存在も知った。パソコン通信に行えば、ホスト局を通じて見ず知らずの参加者同士がコミュニケーションを図れる。真田は興奮した。「いったい、どんな世界が広がっているんだろう?」。1991年、まだ、出会い系という言葉がなかった頃のことだった。
学校では、理科を受け持つ先生がパソコンに詳しい。「先生、パソコン通信って知ってますか?」。真田が尋ねると、「お前、パソコン通信に興味あるのか。先生もやってるんだが、興味があるなら古いモデムがひとつあまっているからあげようか?」。モデムを手に入れた真田は、パソコン通信に必要なソフトウェアを買い揃えて、解説書を読みながら、何度も間違えつつも接続に成功。学校と家だけではない、外の世界の扉が開いた。
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Wrote 2012.01.21 | 次のインタービュー >>