vol.022 ソーシャルマーケティングジャパン 

「ボランティア(社会貢献)を通じたパラレルキャリア(もう1つの人生)の形成を支援します。」のキャッチフレーズの下、ボランティアに参加したい人と、ボランティアを募集する団体とをマッチングするサイトとして、社会貢献の世界でいまにわかに注目を集めている「もんじゅ」。

サイトを運営しているのは、社会人によるソーシャルコラボレーションチーム、Social Marketing Japan(ソーシャルマーケティングジャパン)。普段はビジネスパースンとして活動する3人が2009年に立ち上げた組織。社会人生活1~2年目だった3人は、「何かを始めよう」と意気投合し、「もんじゅ」を立ち上げることに。20代から30代で「社会に対して何か働きかけたい!」と想いのある人たちと、経験を持った社会人ボランティアを求めるNPO・NGOの受け皿となるサイトを、任意団体として運営している。

今回は、代表の玄道優子氏、副代表の後藤拓也氏、ウェブデザイナーの前田龍一氏に、活動のきっかけ、活動に賭ける想いなど話を聞いた。

サイトを作るよりも、アイディアを生み出す

サイトができるまでの経緯を教えてください

玄道「学生時代にNGOでインターンをしており、途上国の国際協力をしていました。社会人になってからも何かやろうと試行錯誤していましたが、そんな時に桑原(副代表)、後藤と一緒にやれそうな人に出会いました。後藤もNGOでインターンの経験があり、非営利活動やコミュニティケーションに興味がありました。桑原は学生時代からソーシャルビジネスに関心があり、稼げるNPOを創りたいとうビジネス志向が強いメンバーです。 サイトを作りたいというよりも、2人となら何か形になることがやれるということを直感で感じました。誰か1人がアイディアを出して形にしている活動ではなく、3人で話し合って自分たちの経験を生かして何ができるだろうか考えました。その結果、「もんじゅ」というサイトを作成することを最初の活動に決めました。」

後藤「私たちの活動は出会いに支えられています。サイトのコンセプトが固まった後も、実はサイトを制作出来る人間がおらず困っていました。そんな中、友人のそのまた友人の紹介という形で、ウェブデザイナーの前田が活動に加わりました。」

前田「ウェブサイトを作りたいと話をもらって作りました。私はフリーランスでウェブサイトなどを作っており、普段は作ってしまうとそれで終わることが多いですが、これは「お金うんぬんより、おもしろそうだからやる」という仕事でした。」

後藤「2009年1月31日にサイトをリリースしましたが、団体としての実績もなく、当初は掲載してもらうNPO・NGOを集めるのに苦労しました。また、広報に関してはSNSのコミュニティ、知人の伝手などを通して、地道に浸透させていきました。そして、徐々にではありますが、自分たちも関わりたいと言う人も出てきて、活動のメンバー、ワンポイントに取材などをお手伝い頂くサポーター数も増えていきました。」

初めは3人でスタートし、そこにもう1 人が加わり、さらに多くの人たちがかかわることで、軌道に乗るようになった「もんじゅ」。メンバーが活動の中で得たこととは?

活動を通じて良かったことは?

前田「もんじゅはパラレルキャリア(もう1つの人生)の形成を支援していますが、まさに私もその通りのことを実感しています。フリーランスでウェブデザインの仕事をしていますが、社会に出て仕事を始めると、同じコミュニティばかりにいることが多く、なかなか知り合いや繋がりができないのですが、この活動を通じて違う業界の人と知り合うことができるようになった。あまりボランティアに興味がなかった分、大きな刺激になりました。また、本業でもウェブサイトの相談が来るようになり、こちらの活動が営業的な感じにもなっています。」

玄道「私は本業ではなかなかリーダー経験を積む機会に恵まれなかったので、代表になり、活動をどうやって進めるか、どうやったらメンバー1人1人が強みを発揮して活動の中で活きるのかということを考える機会を得られたことが自分にとってとてもいい経験になっています。 代表は引っ張っていくところは引っ張っていかなくてはいけませんが、ずっと活動を継続していくためには、メンバーとして所属している1人1人が生きなくてはいけない、と考えています。 『SMJは代表が誰かわからないくらい、みんなが活躍している!』と思われる組織にしたいですね。」

後藤「もんじゅを通じてボランティア活動に応募された方のコメントを見た際、活動の意義を再確認しました。あるネイリストの方は、今まで自分を支えてくれた周囲の方への感謝を込めて、ネイルという仕事での経験を活かしながら、今度は社会に貢献したいとボランティアの動機を語って下さっています。私たちメンバーは『人(他人)のために生きる時、個人は活き活きと輝く』と考えています。」

初開設から現在まで79件のボランティア応募があり、社会貢献に関心のある人たちの間で、この分野のサイトとして徐々に浸透しているもんじゅ。それぞれが今後目指すところとは?

玄道「もっともんじゅが一般に知られるようにしたい。全く社会貢献に関心のない人が「いいな。」と思ってサイトを見てくれて、そういう人たちが行動に移すようにしていきたいです。」

後藤「ボランティアの定義やイメージを変えていきたいです。もっと正確に言えば、ボランティアに替わる新しい言葉が求められているのだと思います。ボランティアは特別で、献身的、すごいという言葉で表現されるべきことではないと思うので、今後はこの変化に加えて、もんじゅが提唱するパラレルキャリアのコンセプトを心地よい、当たり前のモノに変えていけるようにしていきたいです。」

前田「もんじゅの収益をどのようにするか?を考えたいです。名刺代や打ち合わせなどの場所の確保、もっと知ってもらうためのPRなども必要なので。また、現在、デザインは自分が担っていますが、もう1人か2人加わってもらい、システムも含めてよりチームとして協力して活動できる体制にしていきたいです。そのほうが自分にとっても、他のメンバーにとっても良いかなと考えています。」

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

玄道「私はまずは自分を知ることが大切だと思っています。自分自身が何をやりたいかを知らない人はチャンスにも気付かない。立ち上げのメンバーに出会ったという小さなチャンスが大きな変化に繋がることもあります。また、学生時代にインターンをしていたNGOの代表がよく『情報は発信する人のもとに集まる』と話していたので、自分の想い、考えは人に伝えて回るようにもしています。自分と向き合ったり、人と触れあうことでまずは『自分を知る』、そして想いを『発信する』ということをぜひやってみてください」

後藤「Social Marketing Japanの目指していることでもありますが、『情熱は個人を変え、個人は社会を変える』と信じています。国、企業や社会も『個』によって構成される存在です。1人1人がそれを意識して行動すれば、望む変化は起こり得ると思います。もんじゅに掲載されているNPOやNGOもそんな『あなた』を待っています!」

前田「もんじゅに関わるようになったきっかけもそうですが、やるかやらないかは『人』で決めました。ウマが合うとか、刺激しあえるような『人』は自分を成長させてくれます。それと『直感』。ピンと来たら、止まらずに行くことです。直感で行動して後悔することは少ないんじゃないでしょうか。」

Word of power

玄道 人と触れあうことでまずは『自分を知る』、そして想いを『発信する』
後藤 情熱は個人を変え、個人は社会を変える
前田 『人』は自分を成長させてくれる。『直感』で行動する

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